あれま、今年も終わりだぜ。今年を一言で振り返るなら「忙しかった」
だが、後から振り返れば稀有に輝いていた1年だったのでしょう。
先月、結婚しました。
8月からとにかく忙しく
引越し→結婚式準備→結婚式→新婚旅行
と、忙しかった上に実は改姓しまして。
その手続きもめちゃめちゃ忙しかった。
そのくせに演奏会にたくさん出演するわ、
月一回上京するわ、でまぁ忙しかった。
そのせいかブログも完全放置でしたが
まぁ、年末これを期に忘備録としても
今年を振り返っておきたい。
「振り返ればいつだって幸せ」
こんな言葉があるのかどうか知らんが、
今は忙しく感じるだけでも、
後から振り返れば幸せなのだろう。
幸せは維持が難しい。(と思う)
日常に感謝と自戒を。
さて、音楽面について振り返る。
今年は演奏会何回出演したっけ・・・・・・・・8回だ。
年間8回は最高記録かも。
なんだか知らんがシューベルトに縁があった。
・ロザムンデ序曲
・ロザムンデ間奏曲第1番
・ロザムンデ間奏曲第3番
・未完成
・交響曲第5番
ずいぶんやったねぇ。おかげでグレートと未完成しか知らなかった
シューベルトが好きになった。
とくにグレートの魅力を再見!
今は月並みだが車の中でカール・ベームの
交響曲BOXを聴いています。
コントラバスでシューベルトとなると
アルペジョーネソナタ!?
絶対に弾けねぇな。
来年は交響曲第3番を演奏したいのですが、
どうでしょうか。
今年は和声について考えることが多かった。
ブルックナー(ロマンティック)を演奏したせいだろう。
弓の持ち方が軌道に乗り、
いい音になったと思うのだが果たして。
ただ、ある演奏会で久しぶりに一緒に弾いたパートの方から
「久しぶりに聞いたらすごくうまくなったね」と言われ、嬉しかった。
悪くはないようである。
(ただ、弓の持ち方を変えたら
演奏中、弓を落としそうになることが多々ある。
本番中落としたらどうしよう)
独身の余韻を惜しむかのように演奏会には行きまくりました。
ただ、1日に2つの演奏会に行ったり
地元にオケが来たりしたので
上京したのは月1回程度でした。(それでも多いが)
今年はいい演奏会に恵まれた。
毎年恒例のランキング形式で。
1、読売日本交響楽団
ロジェストヴェンスキーのチャイコフスキー「悲愴」(10月)
生きている中で一番感動した音楽体験でした。
まず、読響の音がいつもとぜんぜん違い
濃厚になっていた。
1楽章の再現部過ぎ(コントラバス Fisのトレモロ)の
部分では
時間が止まっていき、目の前の音の塊が2倍、3倍になっていき
山のようなものに襲われる感覚に陥った。(マジで)
そう確かに時間が停止したような感覚。こんな経験は初めてだ。
もう一生、こんな素晴らしい悲愴は聞けないかもしれない。
あれ以来、この体験を上書きしたくなくて悲愴は聞いてない。
ほとんど振らない指揮者なのにこの素晴らしい音。
巨匠は確かにいた。
2 日本フィル ラザレフのブラームスプロ
ピアノ協奏曲1番(河村尚子) 交響曲第3番(3月)
河村尚子さんは何年か前、
やはり日フィルでベートーヴェンの4番聞いた。
そのときは「リズム感悪いなぁ」と思ったのだが
昨年、テレビで「皇帝」を弾いてるのを聞き、
「この人は歌心があるあまり
オケと合わないからリズム感が悪く感じるのかも」
と思った。もしやこの人、ロマン派なら・・・
とおもいこのプロを聞いたが大成功でした。
この曲の「剛」のオーケストラに対しよく
「柔」をもち対峙しており、素晴らしい演奏となった。
この曲、くそ長い1楽章にもかかわらず
1楽章の再現部第2主題の前後から
涙が止まらなくて参った。
この人の歌はベートーヴェンの協奏曲には
合わなかったということだと思うが、
やはりこの人は協奏曲よりより自由に振舞える
独奏が向いているのかもしれない。
盛り上がりに盛り上がった前半のおかげで
後半もオケが燃えておりいい演奏会になった。
3 オーケストラアンサンブル金沢
井上道義のショスタコーヴィチ「死者の歌」(3月)
何年か前に聞いた「死者の歌」より深みがましていた。
ただ、OEKが上手すぎて
個人的には何年か前の広島交響楽団が
必死に演奏していた熱もなつかしい。
前半のシチェドリン「カルメン」は面白いものを聞いた。
4 NHK交響楽団
スラットキンのショスタコーヴィチ「レニングラード」(9月)
純音楽としての解釈が好感。3楽章再現部をこんなに美しく演奏するとは。
1,2楽章の木管の崩れがおしかったが
余裕のN響による貫禄の演奏。
5 ロシアナショナル管弦楽団 プレトニョフのチャイ4(6月)
なぜだか知らんが、この田舎にこんな名門オケが!
一人一人がすげぇ上手い。
6 東京交響楽団 スダーンのマーラー「大地の歌」(5月)
ちょっと暗い曲を振るとスダーンって上手い。
終楽章のオーボエ荒さんはすごかった。深い余韻が残った演奏
7 NHK交響楽団
ドゥ・ビリーのシューベルト「グレート」(2月)
休憩のときにロビーでビールを飲み
グレートで音の洪水に浸る至福 グレートは繰り返しがあったほうがいい。
(演奏するほうは大変だが)
8 新日本フィル
ハーディングのショスタコーヴィチ交響曲第10番(12月)
ファゴットがすげぇ上手い。ハーディングの解釈も納得。
9 東京交響楽団
スダーンのリスト「ファウスト交響曲」(7月)
この演奏会の前に入念にCDで予習。
1楽章が35分って見たとき「!」と思ったが
慣れてくると実に良くできた名曲。
スダーンは速いテンポで各モチーフを上手に示していたので
3楽章でメフィストフェレスによる変容が
分かりやすかった反面、
2楽章のインテンポ感は歌を殺しもったいなく感じた。
ちょっと指揮が力んでて、オケも力んでた。
10 東京都交響楽団
インバルのショスタコーヴィチ交響曲第4番(3月)
うーん、楽しみにしていた演奏会だったがさほどでは・・・
インバルの指揮で曲の構成が良くわかったのだが
かえって曲の弱さも見えてしまい・・・
もうすこし狂気のようなものに委ねても・・・期待値が高すぎたか?
11 NHK交響楽団
ガエタノ・デスピノーサによるメンデルスゾーン「イタリア」(4月)
うまいN響による明るい演奏のイタリアと
大迫力のレスピーギ「ローマの松」に満足
12 仙台フィル
アラン・ブリバエフによるファリャ「三角帽子」(10月)
故合って仙台へ。青年文化センターの音響の改良振りに驚く。
スペイン色ゆたかないい演奏でした。悪代官のファゴットが無双状態。
バレエ初心者の私には字幕とかあるともっとわかりやすい?
13 東京交響楽団
シナイスキーのショスタコーヴィチ交響曲第4番(9月)
インバルのリベンジとして聞いたのだがこちらは凡庸な演奏。
ショスタコ好きなので楽しめはしたが。
14 新日本フィル
山田和樹のサンサーンス「オルガンつき」(8月)
ちょい雑な演奏だったな。
指揮者というよりオケのモチベーションが低かった感じ。
15 読売日本交響楽団
カンブルランのストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」(4月)
前半のドビュッシー「おもちゃ箱」が理解できず、
ややつまらなかったが後半はよかった。
前に火の鳥を聞いた感じと同じく色彩がじんわりと漂う演奏。
16 東京都交響楽団
ニューイヤーコンサート(1月)
ブルッフの協奏曲での三浦氏のソロが実に良かった。
あとはニューイヤーですから楽しく聞きました。(一人で 笑)
17 東京都交響楽団
シェヘラザード、クーセヴィツキーの協奏曲(6月)
以前詳しく書いたので割愛
18 オデッサ国立歌劇場管弦楽団
チャイコフスキー 交響曲第5番(2月)
ドサまわりオケのやっつけ感があるのだが
以外にそういうのは嫌いではない。
B級グルメだと思えばおいしいし、なによりこの田舎に
来てくれたことに感謝。
土臭いチャイコフスキーでロマン感とは程遠いが
これがチャイコフスキーの本当の姿なのだと思う。
19 東京交響楽団
飯森氏によるモーツァルト「ミサ曲」(3月)
オペラシティの安い席はダメだ!まったくオーケストラが見えない!
前半の石坂団十郎(ハイドンの1番)は無双していたし、
アンコールのアヴェヴェルムコルプスも素晴らしかったが
壁をみての演奏会はやはりつまらない。
演奏というより席で楽しめなかった。
20 東京シティフィル
宮本文昭 ドヴォルザーク「新世界」(5月)
なんだかんだで宮本氏は3回目だが・・・だめだ・・・
ぜんぜんオケが鳴らない・・・
21 東京都交響楽団
イラン・ヴォルコフのラフマニノフプロ(2月)
イラン指揮者でした。ぜんぜん面白くなかった。
交響的舞曲もうるさいだけ。
22、読売日本交響楽団
ミハイル・レオンティエフのチャイコフスキー 交響曲第5番(1月)
しかし、同じ読響なのになんでロジェヴェンのときと
こんなに音が違うのか・・・
指揮者がひどくて
オケが何とか自発的に音楽をつくろうとしてるが
指揮者は何もしない。読響が気の毒いなる演奏。
さて、既婚者になったので来年からはこんなに聞けまい。
とりあえず来月の水戸室内管弦楽団の
シューベルト6番が来年の1発目。楽しみだぜ。
しかし、大切なのは「感謝」と「自戒」である。
そして「足るを知ること」
もう十分幸せではではないか。