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約四ヶ月ぶりに更新。
この間、東日本大震災を経験し、
あまり報道されないが本県も被災地となった。
私自身もライフラインが断たれる、避難所を経験するなど
東北諸県に比べれば軽微なれど、震災というものを体験した。
現在は幸い、元の生活にほとんど戻ったが、
隣県の原発の問題やいまだに避難所ぐらいの方々を
考えるとなかなか、呑気にブログを書く気にならなかったのだが
本日より再開しようと思う。
再開第1回目は実にくだらない話から。
「ソヴィエト」の作曲家、
イワノフが残したLPに収録されているコントラバス協奏曲を
紹介する。
このLP、A面に宇宙交響曲「ガガーリンの思い出」という
時代を感じさせる作品が収録されているため有名のようである。
そちらはさておき、B面のコントラバス協奏曲は
素晴らしい作品である。
あえて断言してしまったが、
こういうコントラバス協奏曲ってなかなかないのではないか。
この作品、副題(?)にin romantic styleと
ついているようにロマン派を思わせる作品である。
このロマン派というのが非常に重要であると思う。
コントラバス協奏曲の歴史を考えると
コントラバス協奏曲が大量に書かれた時代というのは3つあると思う。
第1はウィーン調弦が採用され独奏楽器としてもてはやされていた時代。
ディッタースドルフ、ヴァンハル、ホフマイスター、
ピフル、ツィーマーマン、コハウト
そして消失したハイドンの協奏曲はここに属するだろう。
第2はドラゴネッティとその影響によって書かれた作品。
ドラゴネッティの諸作、カプッツィ、チマドールがここに属するだろう。
そして最後は現代の作品。
これは本当にたくさんあって、大作曲家もたくさん書いている。
ラウダヴァーラ、ヘンツェ、フランセ、ロータなどが多数残している。
これを見て分かるようにロマン派の時代にはコントラバス協奏曲
があまり残されなかった。
コントラバスを牽引したボッテシーニは
オペラを思わせるスタイルをとったことを考えると、
(語弊がある可能性はあるが)ロマン派を思わせるコントラバス協奏曲は
クーセヴィツキーぐらいだと言えるのではないか。
そういった状況にイワノフのコントラバス協奏曲は
貴重なロマンティックな協奏曲といえる。
もちろんその背景にはソヴィエトの
「社会主義的リアリズム」があることは否定できないが
そういった背景を抜きに作品を楽しむと実に楽しい作品だと思う。
なるほど、前述したような理由から
カバレフスキーの作品に似た匂いがする。
3楽章の民謡風のパッセージなんかいかにもである。
だが、こういった作品が他にあるかといわれればないのではないか。
(強いて言えばトゥビンか?)
ソヴィエト時代の作品。
今から見れば芸術的には?かも知れないが
レパートリーの少ないコントラバスにとっては
面白い作品だと思うのだが・・・