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2年前ぐらいだろうか?
トーマスマーティンのボッテシーニ集が廃盤になり、
NAXOSから廉価で復刻されたのは。
すべての復刻が終わり、
NAXOSのボッテシーニ熱も冷めたかと思いきや、
新しい録音が出るようである。
(トーマスマーティンの新譜?)
http://www.naxos.com/catalogue/item.asp?item_code=8.572284
ナップスターではすでに聴けるようなので多分、
i-tuneやNAXOSライブラリーでももう聞けるだろう。
現物主義の私はまだ未聴であるが早く聴きたいものだ。
以下がこのCDの収録曲。
1 ロッシーニの主題による幻想曲
2 パッショーネアモローザ
3 グランドデュエット第2番
4 グランデュオコンチェルタンテ(2台のコントラバス版)
見ての通り、すべての曲が2台のコントラバスのための作品という意欲作。
注目する点はいくつかある。
ますは「ロッシーニの主題」
この曲は録音がとても少なく、現在確認しているのは
ボッテシーニ集をつくっているヤルダーニによる演奏と
元ベルリンフィルのナビルシェハタのDVDのみである。
ナビルシェハタの演奏はチェロとのデュエット(文屋版らしい)であるため、
オリジナルの録音はヤルダーニのみであった。
今回、トマス・マーティンの録音が加わることによりこの作品が
ボッテシーニの
2台のコントラバスの作品としてより認知されることになるだろう。
(ピアノ伴奏なのがやや残念だが)
第2にパッショーネアモローザをマーティンが2回目の録音をしていること。
前回の演奏との差異が楽しめる。
第3にグランデュオコンチェルタンテの2台のコントラバス版を録音していること。
ロロフセンが録音しているのは有名だがそれと同じ版なのだろうか?
それともヴァイオリンとのデュエット版をあれんじしたものなのだろうか?
(持ってはいないがそういう録音もある)
興味は尽きない。
第4に新譜が出たといっても知られていない曲が1曲もないこと。
これはボッテシーニの作品の開拓が収まったことを
あらわすのかもしれない。
今回、復興版ではない新しいボッテシーニがでたことで
ボッテシーニワールドがさらに広がることを期待する。
しかし、NAXOSというレーベルはすでにたくさんのボッテシーニを出している・・・
すごいレーベルである。
http://www.naxos.com/composerinfo/Giovanni_Bottesini/27091.htm
ひとつ心配なことは
ジュエルキャリントンのボッテシーニ集が第2で止まっているので
もう終わりの様相を呈しているのが心配・・・
ジュエルキャリントンはちがうレーベルでグリエールとか収録してるから
ボッテシーニはもう飽きちゃったのかな?
〈秘曲 ロッシーニの主題が聴けるのは以下の商品だ!!〉
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2554910
シェハタによるチェロとのデュエット版(オーケストラ伴奏)
名手、ナビルシェハタの演奏が目で見られるのはうれしい
http://www.hmv.co.jp/product/detail/64514
ヤルダーニによる2台のコントラバス版(オーケストラ伴奏)
前回、ツェパリッ追悼で鱒のCDを紹介していたけれど、
今朝、出勤するときにFM(気ままにクラシック)を聞いていたら
・・・ツェパリッツの鱒を放送してたよ・・・・
4楽章だけだけど。なんたる偶然。
今朝はやや寝坊したから聞けたんだけど
ツェパリッツさんからの贈り物だったのかな?
さて今回紹介するCDはこちら。HMVで取り扱っているとは知らなんだ。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/728535
演奏しているのはウィーン歌劇場管弦楽団のニーダーハマー。
シュトライヒャーのレンベックを受け継いでいるらしい。
しかし、見れば見るほど、地味なジャケットである。
大分適当な絵をジャケットにしたとしか思えない。
さて、ミシェクといえば、数少ないコントラバスソナタを書いた作曲家であり、
たしかシマンデルの弟子だった気がする。
コントラバスリサイタルでは重宝されている作曲家である。
ただ、彼の作品はなんか妥協内作品で確かに悪くない作品なんだが、
異状に難しそうに聞える。
一見、すごそうだけれど、案外弾きやすい作品が
コントラバスには多いがそんなことはぜんぜんなさそうだ。
ミシェクには3曲のソナタがあるが第3番を収録しているCDは
私は2種類しか知らない。
1番、2番はすごい数の録音があるのに、
3番だなぜだか少ないのである
以前も述べたが、3番は4楽章があまりにひどい出来であることと
ヘ長調という調性があまり弾きやすくないのではないかというかということが
録音の少ない原因だと思われる。
ただ、3楽章までの出来はどう考えてもミシェクの中では最高傑作だと思う。
(そのせいか、もう一種類の録音は3楽章までしか録音していない)
4楽章は無理に1楽章の回想を入れたりしたせいか
叙情的な楽章なのか、どうかもよくわからないへんな楽章になってしまっているのが
残念。
さて、肝心のニーダーハマーの演奏は
若干線が細い感じもするが、丁寧で好感が持てる。
もうちょっとはみ出して欲しい感じもするがよい演奏である。
このCDを聞いて、是非、ミシェク第3番のよさを味わって欲しいものである。
【コントラバスニュース?】
ゲーリーカーが新譜を2枚発売したようです。
(例によって私家版か?)
シューマンの曲をコントラバスデュエットで奏でたものと
テレマンの曲らしい。
http://www.garykarr.com/purchase/fr_main.html
シューマンは嫌いな作曲家なのだが
ゲーリーカーで好きになるのだろうか?
デュエットしている中国人?は視聴した限りなかなか、よい音をしている。
後継者?
日本で発売されることはなさそうだが
そのうち海外から取り寄せたいものだ。いいなぁ、聞きたいなぁ
名コントラバス奏者ツェパリッツ氏が昨年の暮れに亡くなっていたという話を
何日前に知った。
3年ほど前に楽器どころの状態ではないという噂を聞いたことあるが
故人なので噂の詳細は書かない。(所詮噂だしね)
以下、ツェパリッツのことに関して書くが
誤解のないように書いておきたい。
私がツェパリッツ氏を偉大なコントラバス奏者だと聞き及んでいるという前提で読んで欲しい。
別に故人を冒涜するわけでもなんでもない。
(以下、敬称は略す)
さて、ツェパリッツが亡くなったのだが
個人的に正直、それほどの感慨はないのである。
ツェパリッツといえば、カラヤン時代のベルリンフィルのコントラバスを
支えていた(「らしい」)のだが
私の年代からすると、遠い昔話の感がある。
実際、カラヤンが大活躍してたころは私は生まれたか生まれないかぐらいの話なので
実感がもてるはずもない。
私にとってベルリンフィルといえば(アバドでもなく)ラトルであり、
ベルリンフィルのコントラバスといえばクラウス・シュトールなのだ。
(だから、2年前、生のクラウスシュトールを見られたときは
うれしかったし、クラウス・シュトールの引退も衝撃的だった。)
同じ理由でルードヴィヒ・シュトライヒャーが死んだときも
「えっまだ生きていらっしゃったのか!」という感じであった。
さらに言うと、ツェパリッツを何故身近に感じないかといえば、
彼が「ソロのCD」を出していないことに尽きる。
(マーラー巨人のソロなどの録音はあるだろうが・・・)
本ブログの趣旨からいけば、確かにツェパリッツは遠い存在である。
ここがシュトライヒャーとの大きな差である。
しかし、私が知らないだけかもしれないが
これほどの大奏者が何故、CDを残さなかったのだろう?
この疑問はコントラバスのソロを考える上で重要な気がする。
前置きが長くなったが今回はツェパリッが何故CDを残さなかったのかを
考えてみたい。まぁ、いつもどおりいい加減な推測交じりで・・・
まず、ベルリンフィルの奏者でCDを残している人はどれぐらいいるのだろう?
知っている範囲で書く。
そもそもこんなCDがあるんだからソロには割合積極的なのではないかと考える。
http://www.camerata.co.jp/J/cd/cmcd20/20008.html
個々に見てみても・・・
クラウス・シュトール
ナビル・シェハタ(もう退団しちゃったけど)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1260300
エスコ・ライネ
http://www.hmv.co.jp/product/detail/693872
ウォルフガング・ギュトラー
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1512215
と、ベルリンフィルの奏者のCDは結構あるのである。
上記の奏者たちが(有名ではあるが)ツェパリッツより有名かといえば
微妙である。
何故、彼にはCDがないのか。
ここで注目したいのがパトリック・ズュースキント作「コントラバス」である。
溝入敬三氏によるとこの作品は
ツェパリッツを綿密に取材し、書かれた作品らしい。
ということはこの作品にツェパリッツの考えが隠されているかもしれない。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%90%E3%82%B9-%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AE%E6%96%87%E5%AD%A6%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%82%BA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%83%88/dp/4810202011/ref=sr_1_10?ie=UTF8&s=books&qid=1263116621&sr=8-10
さて、気になる言葉を検証してみたい。
主人公はp54で
「コントラバスの独奏なんてバカバカしい思いつきでしかないんですよ。」
と述べた後、ディッタースドルフののレコードをかける・・・
p55(改行はこちらで行った)
「さて、正直に答えてください。よかったですか?
曲がどうこうじゃなくて響きという点でですよ。
え、カデンツァだけならですって?
いまのカデンツァをもう一度聴いてみたいんですか?
あんなに間の抜けたカデンツァって、そうあるもんじゃない。
聴いているうちにひとりでに泣けてきちゃいますよ。
今の演奏ね、あれでも一流のソリストだったんですよ。
名前を挙げるのはやめときます。
だって彼が悪いわけじゃないですからね。」
1、ディッタースドルフのレコード
2、カデンツァだけがよかった
3、1流のソリスト
この3つのキーワードからレコードは特定できそうである。
この場面から、ツェパリッツのソロに関する考え方が読み取れるように思えるのだが
それは考えすぎだろうか?
さらに興味深い言葉がある。
p59
「そう、『鱒』なんか最高の作品ですよ。」
この言葉からツェパリッツがコントラバスという楽器に
どのような役割を考えていたのかが分かるような気がする。
以上のことと、ツェパリッツのソロCDがないことには関係があるのではないか。
また、このことを考えることはコントラバスのソロを考える上で
重要なことだと思う。
楽器の性能を無視し・・・チェロのような音色で・・・
大分、大分、飛躍するが、ツェパリッツがソロを残さなかったことは
コントラバスソロに対する警鐘かもしれない。
また、ツェパリッツがCDを残してないにもかかわらず
コントラバスファン以外から愛されている原因もここにあるかもしれない。
もっともズュースキントの「コントラバス」がどの程度ツェパリッツの考え方を
反映していたかは分からないし、
私が知らないだけでツェパリッツの独奏の録音もあるのかもしれない。
(ご存知の方がいましたらご教示ください。)
また、時代的に鑑みてもCDが出るかでないかの時代であったため
今ほど、簡単に録音しようという環境ではなかったのかもしれない。
しかし、私はどうも上記の説が正しいように思えてならない。
(まぁ、勝手な妄想ですが)
ツェパリッツに関しては独奏よりも「鱒」がきいてみたいものである。
さがしてみたら簡単に見つかった。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3637602
まだ、聴いたことはないが
ツェパリッツ追悼版としては「鱒」がふさわしいように思える。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3658351
ベルリンクラシックというレーベルから出されているCD
コントラバス以外の楽器の特集もあるようだが
興味がないのでどういった内容なのかは分からない。
このCDなかなか御得である。
簡単に言ってしまうと・・・・
このCDと
このCDの2枚組み+モーツァルトのバスアリアが収録されているのである!!
2枚のCDがおまけつきでこの価格は安い!!
しかも演奏のクオリティも高い。
前者のCDは、バルバラ・ザンデルリングの誠実な演奏で
ロッシーニやミヒャエル・ハイドンなどの
古典派の曲を楽しめる。
後者のCDはクラウス・トゥルンプによるヴァンハルの協奏曲
(シュトライヒャーを凌駕する?名演)と
シュペルガーの作品で圧倒的に素晴らしい音楽を楽しめる。
これに録音の少ないモーツァルトのバスアリアがつくのだから
(奏者はHeinz Hermann
シュトライヒャーのバスアリアほど感銘は受けないが
録音が少ないこの曲が手軽に聴けるという点では素晴らしい)
このCDは大分、お買い得である。
幸い私は、トゥルンプのCDは持っていたが、
ザンデルリングは持っていなかったので
これを機にザンデルリングも楽しむことができた。
(なかなか地味に素晴らしいですよ、野太い音だし)
上記のCDをもっていない方は是非、買ってみるべきである。
このCD1枚あれば、古典派のコントラバスの曲はある程度
おさえられるといっても過言ではない。
(まぁ、ウィーン調弦とか棄てがたいですが・・・)
HMVに曲のタイトルがないのでここに記しておく
(ディスク1)
バルバラ・ザンデルリング
ロッシーニ チェロとコントラバスのためのデュエット
ミヒャエル・ハイドン ヴィオラ・チェロ・コントラバスのためのディベルティメント
クープラン ガンバとコントラバスのためのデュオ
ヴァンハル ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスのためのディベルティメント
(ディスク2)
クラウス・トゥルンプ
ヴァンハル コントラバス協奏曲ニ長調(定番の名演!!)
シュペルガー ソナタ ニ長調
シュペルガー コントラバス、フルート、ヴィオラ、チェロのための四重奏
Heinz Hermann
モーツァルト この美しい手と瞳のために
しかし、書いてて恐ろしいことに気がついてしまった・・・
このCDとゲーリーカーのクーセヴィツキー、シュトライヒャーのボッテシーニがあれば
大分十分なのではないか・・・
アウトラインはおさえられちゃうよね・・・
何枚も何枚も買ってる私って何なのだろう・・・