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1ヶ月ぐらい前に「宮崎国際音楽祭」なるものを録画したのを見た。
その中で演奏されていたのがワイル「7つの大罪」
現代作曲家のおどろおどろしい作品かと思いきや、さにあらず。
ワイル自体もそんなに新しい作曲家ではないし
作品も非常に聴きやすいが、刺激的だった。
調べてみると、資本主義を風刺した作品らしい。
ということでCDを購入。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3648990
選んだ基準は適当。ラトルとヤンソンスの指揮、ツィマーマンのヴァイオリンなら
間違いはあるまいと思ったから。
2枚組みで安かったし。
まだ、全部は聴いてないが、
交響曲も協奏曲も「7つの大罪」もとても気に入った。
CD自体はいいのか悪いのか分からないが
おススメの作曲家である。
ワイルの作品はJAZZにもなっており、溝入敬三も弾いていCDがある(未聴)
以下余談
先ほど述べた「宮崎国際音楽祭」
メインはマーラーの「巨人」でした。
コントラバスの首席はもはや第一線を退いているN氏。
さぁ、3楽章のソロだ。
これが・・・
・・・
・・・
・・・
人間歳はとりたくないものですな
ヴァンハルはハイドン、モーツァルトとディッタースドルフと
弦楽四重奏をしておりチェロを担当している。
もう何回か書いたと思うが、この4人の作曲家は
すべて、コントラバスの協奏的作品を書いているというのは興味深い。
ハイドン コントラバス協奏曲(消失)
ディッタースドルフ 2曲の協奏曲と、協奏交響曲
モーツァルト バスアリア「この麗しい手のために」
ヴァンハル コントラバス協奏曲
この背景にはウィーン調弦時代の名手、シュペルガー(他)の影響があるのは疑いない。
さて、ヴァンハルのこの協奏曲はウィーン調弦のコントラバスのために書かれており、
それを半音、スコルダトゥーラして演奏されていたようである。
この曲を現在の4度調弦で演奏するためにさまざまな工夫がされている。
調だけでもさまざまである。
1、ニ長調 ハ長調の譜面をソロチューニング 最も技巧的で華麗な譜面
2、ホ長調 ニ長調の譜面をソロチューニング
3、変ホ長調 ニ長調の譜面を半音上げチューニング
ニ長調版のカデンツァにはグルーバーの技巧的なカデンツァが使われることが多いため
もっとも聴きばえする。
シュトライヒャー様が録音を残したこともあり、
現在はニ長調が最も一般的なようだ。
NHk交響楽団のオーディションにはこのニ長調版が使われているようだ。
ヴァンハルの協奏曲は現在、12種の録音を所有している。
1、ニ長調(ハ長調をソロ調弦) 7種類
2、二長調(二長調の楽譜をオケ調弦) 1種類
3、変ホ長調(ニ長調の楽譜を半音上げ調弦) 1種類
4、ホ長調(ニ長調の楽譜をソロ調弦) 2種類
5、ウィーン調弦での演奏 1種類
全体的な傾向として、ニ長調(ハ長調をソロ調弦)ではグルーバーのカデンツァ、
その他は伝シュペルガーのカデンツァを用いている。(自作のものもあるが)
また、ニ長調(ハ長調をソロ調弦)の録音では
1楽章で小規模なカットを行うことが多い。(117小節目から123小節目)
〈おすすめ録音〉
トゥルンプによる名演 (ハ長調の楽譜をソロ調弦)
シュトライヒャーのレコード(ハ長調の楽譜をソロ調弦)
1楽章でカットをしていない珍しい録音(ハ長調をソロ調弦)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1386643
ウィーン調弦による演奏の録音(必聴)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2552576
ホ長調(ニ長調の楽譜をソロ調弦)の録音
併録のクーセヴィツキーも名演
http://www.hmv.co.jp/product/detail/81168
変ホ長調(ニ長調の楽譜を半音上調弦)
ボッテシーニ集で有名なバディラの演奏。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/765448
Uの作曲家なんているのか?と思いきや、
私が知っている限り2人いました。
どちらもコントラバスオリジナル作品です。
1、ウング(ung) グライディングウインド
12分程度の無伴奏コントラバス作品
溝入敬三氏の「コントラバス 颱風」に収録されている。
詳しい曲の解説については「こんとらばす とらのまき」に書いてあるが
うーん ちょつとよくわからない・・・
いわゆるゲンダイオンガクですよ。
故岩城宏之氏が「音楽にわかる、わからないをつかうのは日本人だけ。
嫌いなら嫌いといえばいい」といってていたが
うーん 嫌いといえるほどこの曲のことがわからねぇな。
詳しい解説はこの本をどうぞ・・・面白い本だし。
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%A8%E3%82%89%E3%81%B0%E3%81%99%E3%81%AE%E3%81%A8%E3%82%89%E3%81%AE%E5%B7%BB%E2%80%95%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%81%A8%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%90%E3%82%B9%E3%82%92%E6%84%9B%E3%81%99%E3%82%8B%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E4%BA%8B%E5%85%B8-%E6%BA%9D%E5%85%A5-%E6%95%AC%E4%B8%89/dp/4393934792/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1252671492&sr=8-2
2、ウルバンナー コントラバス協奏曲
この協奏曲は有名だと思う。
なぜなら、シュトライヒャー様がレコードに収録したからである。
A面がヴァンハルでB面がこのウルバンナーだったため、
シュトライヒャーのヴァンハルを聞いた人のほとんどがこの協奏曲を聴いていることだろう。
ウルバンナーという名前も珍しいので
脳にインプットされているに違いない。
この協奏曲はシュトライヒャーが来日したときに
読売日本交響楽団と共演されたらしい。
ジャケットは2種類ある。私が持っているのは下のものだが
どうみても上のジャケットの方がかっこいい。
ヤフオクでよく見かけるがいつも結構高値になっている(2000円〜3000円ぐらい?)
需要があるのにCDにならないのが
シュトライヒャーの録音の不思議なところ。
(一部はCDにはなっているんですが現在廃盤。
そのCDを落札するのに7000円ぐらいかかった 馬鹿ですね
ウルバンナーの録音はCDになっていない。)
曲の内容はいわゆるゲンダイオンガクだが、
難解というほどでもないとは思う。
問題はこのレコードの解説である。
以下引用
「(前略)
チェンバロと打楽器を含む小オーケストラを従えたコンチェルタントな様式で
2楽章に構成されています。」
すでにここで誤りがあるのだが後述する。
「第1楽章
コントラバスのレシタチーヴによって始まり、コントラバスとオーケストラの対話が続く」
協奏曲なんだから
当たり前じゃん・・・
「ここではピッチカートやグリッサンドなどの用法が盛んに使用されています。」
聴けば分かるよ・・・
「中間にカデンツァがあり、それも独白と云った感じで展開されています。」
・・・カデンツァなんだから
独白に決まってるじゃねぇか
(テレフケンのレコードより引用)
全部引用するのはめんどくさいのでやめるが
上記のような感じの解説なのである・・・
もっと解説なら
「この部分はウルバンナーによると・・・」とか
「この部分にはOOOの影響を感じずにはいられない・・・」とか
あると思うんですが。
聴けば分かることが書いてあるだけである。
で、はじめに書いたように重大な誤りがある・・・
この曲は3楽章構成なのです・・・
この曲を聴いているうちに
「絶対この曲はアタッカで3楽章にいってるよなぁ、2楽章構成じゃねぇよなぁ」、と
思って聴いていた。
そのうちなんと、池袋のヤマハでウルバンナーの協奏曲の楽譜を発見したのである!!
出版されていたとは!
楽譜を見てもさっぱろわからなかったが
ひとつわかったのは
「掘廚判颪れたページがあったということ。
やっぱり3楽章構成なんじゃないか。
(その楽譜が間違っているのかもしれないが、だとしたらすいません)
正直、初めてこの解説を読んだときに
「よく分からないから、なんとなく聴いた感じで解説かいてるよなぁ」と
思ったのだがなんだかそんな気がする。
ここで思い出されるのは先ほども紹介した岩城宏之氏の言葉
「音楽をわかるわからないというのは日本人だけだ」
が、解説をしてお金をもらう以上分からねばならないのではないだろうか・・・?
はぁ、Uのコントラバスの作曲家について
こんなに熱く語ったのは私が世界で初めてなのではないだろうか?
次回はV。最終回が近づいてきました。
今回はあえて画像なし
日本人奏者である奥田一夫氏のCD。
選曲が素晴らしい。オリジナル局だけの編成というのも素晴らしい。
ラバス−ボッテシーニ−ヒンデミット−ホフマイスター−ヅビンデン−ロッシーニ
なんというか、各時代の曲をバランスよく収録している。
ホフマイスター ウィーン調弦時代
ロッシーニ ドラゴネッティ時代
ボッテシーニ ヴィルトォーゾ時代
ヒンデミット 近代
ヅビンデン・ラバス 現代
しかもピアノ伴奏だけでなく、無伴奏やチェロとのデュオ、弦楽伴奏など
形態もさまざま。
これ以上、絶妙なプログラミングはあるまい。
はじめのラバスの「スペインの唄」は引き込まれるものがある。
えっ?これがコントラバスといった機動力である。
クールに「スペインの唄」が終わった後
静かにボッテシーニのエレジーが始まる。
非常にアルバムの展開として素晴らしい。
が、このエレジーが「?」なのである。
非常に大味で繊細さを感じることができなかった。
私の鈍い耳には何をしたいのかよく分からない
フラストレーションのたまる演奏である。好みの問題だろうが・・・
次のヒンデミットも「?」である。
1、2楽章は迫力を目指したのかもしれないが
はっきりいって音が汚いとしか思えない。
良心的に見て、マイクの都合なのかもしれないが
正直、ライブでの演奏でもないのに
冒頭の汚い音をそのまま収録するというのは
全く持って解せない。
私が考えるに、この曲の持つ構築美とは程遠い感じである。
3楽章は丁寧になるが推進力を感じない、平坦な演奏。
エレジーでも感じたように何を目指してるのか私には伝わってこない。
最後の部分も音に伸びやかさが全くない。
演奏者の目指す、コンセプトと私の期待があまりに違うのだろうか?
おそらく私の耳が悪いのだろう。
ブックノートなどに使われた楽器が「名器」であることを歌っているが
・・ちょっと微妙だな
たしかに音は迫力あるし野太い、ごつごつしているから確かにコントラバスともいえるが
コントラバスとしての基音をあまり感じないのは私だけだろうか?
たしかにマイクが悪い感じもあるかな・・・
ちょっとホフマイスターーも大味だしな
4楽章冒頭の伸びのない音にはげんなりするばかりである。
全体的に一言でいえば「大味」ということに尽きる
一瞬おいしいと思うラーメン屋というか・・・
ロッシーニのみライブ録音のようだ、
この演奏ライブであることを考えれば熱気の伝わるいい演奏
会場にいたならきっと興奮したことだろう。
このことから考えるに
あまりソロトーンの奏者ではないのではないか?
生意気なこと書くが、
演奏家というのは多くの聴衆に絶賛される代わり、
素人からも批判もされるという立場を考えれば
あえて書いてしまうが、
もう少し、演奏全体に「歌」という概念が欲しい。
表面的な音のきれいさやテクニックではなく、
何を訴えたいか、どこへ向かうか、全体の流れ・・・といった要素が
正直感じられない。
うーん、正直、このCD安くなかったし、
かなり期待して買ったんだよね。
期待値が高かったのかもしれないが
ちょっと残念な感じなのです。
まぁ、これは個人の感想なので感銘を受けている方も
おそらく多数いるのでしょう。
私の耳が悪いということにしてください。