こんなに更新していないのはまずいと思い更新。
まだ、紹介してないCDはかなりあるのだが、今回はCDではない。
iチューンでダウンロードしたものである。
iチューンで「proto」なり「rabbath」と検索すればダウンロード可能。
またはCD版もlemurmusicで購入可能。
http://shop1.mailordercentral.com/lemurmusic/prodinfo.asp?number=R335
気をつけたいのはiチューンのサイトではジャケットの写真が
別のrabbathのCDと反対になっていることである。
今までダウンロード音楽はなんか敷居が高い感じで敬遠していたのだが
意外に探してみるとおもしろいコントラバスのCDのデータも
たくさんあるのでこれからは利用していこうと思う。
ブックレットがないなどの難ももちろんあるがまぁ、仕方あるまい。
(i-tuneではkarrやbottesini、double bassなど様々な
単語で検索してみた。)
さて、ラバスはフランスのコントラバス界の大御所である。
ジャズともクラシックともつかないジャンルの音楽を演奏している。
シリア出身というのが興味深い。
このラバスがプロトゥの作品を演奏している。
プロトゥ(プロート)はコントラバス界では有名な作曲家。
代表作に「カルメンファンタジー」や「ソナタ」があり
録音数も少なくない。
プロトゥの興味深いところは本人もコントラバスの演奏家であるにもかかわらず、
同業のラバスのために作品を書いたことである。
プロトゥも相当の技術があるのだろうがラバスの方が
自分より優れていると素直に認めたのだろうか?
このCDでは上記の代表作「カルメンファンタジー」の他に
「コントラバスの幻想曲」や「コントラバス協奏曲第2番」が収録されている。
しかも全てオーケストラ伴奏である。
私はカルメンファンタジーは池松氏、深沢氏、カトラマ氏の演奏を持っている。
(どれも入手は容易いだろう。特に池松氏の廃盤になったCDは
この7月に復刻されるようだ。)
オーケストラ伴奏はカトラマのものだけだったのだが
このカトラマの演奏が何ともイマイチなのである。
また、バックのオーケストラも整理されてない印象がある。
そのため、カルメンファンタジーというと
ピアノ伴奏の深沢氏や池松氏の演奏が主となっていたが
(個人的には深沢氏の録音が好き。)
ようやくラバスによってオーケストラ伴奏で良い演奏を聴けることになった。
やはり、ピアノ伴奏はオーケストラ伴奏に勝てないことは
いつも力説しているとおりである。
色が違いすぎるのだ。オーケストラの多彩な音色には
やはりピアノは勝てない。
とくにこの録音を聴いてバスクラリネットとコントラバスの音色の
すばらしさが再確認できた。
ピアノ伴奏で親しんだ方には是非オーケストラ伴奏版も気いて欲しい。
ちなみにピアノ伴奏版ではジプシーの踊りの前の
間奏曲は削除されている。
さて、残りのオーケストラ伴奏曲であるが
やはり録音頻度が少ないだけ合って
残念ながらそれなりの曲なのである。
特に協奏曲第2番は大作を意識した感があるが
どうも安っぽいクイズ番組の音楽のような気がしてならない。
ドラムセットなどが出てきて、やはり
プロトゥは純クラシックの作曲家ではないことを思う。
(まぁ、それがいいのかもしれないが、
大ビゼーの作った旋律を使ったカルメンファンタジーに
プロトゥなるB級作曲家が勝てるとは思えないが。)
ただ、プロトゥの癖としては
彼はイングリッシュホルンが好きなようである。
イングリッシュホルンとコントラバスの音色は近い者があると感じた。
バスクラリネットとともにコーラングレもコントラバスと
相性はいいようだ。
ちょっと自信がないのだが
協奏曲第2番ではピックアップが使われていたような気がする。
無理なく独奏の音がホール中に聞こえるなら
コントラバス協奏曲に於いてピックアップはやむおえないだろう。
そうでもしないとトゥビンやスカルコッタスの協奏曲では間違いなく
2階席まで音がとどかないのではないだろうか。
または、伴奏のオーケストラが極度に萎縮してしまうだろう。
良質なピックアップであればクーセヴィツキーあたりでも
電気で増幅してもいいような気がするが
あんがいゲリーカーぐらいの人ならオーケストラと戦えるかもしれない。
脱線でした。