専門家が見たら(見てるらしい!?)激怒必至!の
いやらしいアマチュアのコントラバスのCD批評が中心。
まぁ、だらだら続けていきます。
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北欧のコントラバス作品◆,覆爾ボッテシーニ
さて、脱線したり間が空いてしまったのだが
ラーションやコックの作品が収められているCDの続き。

ここに、なぜかイタリアの作曲家である
ボッテシーニの協奏曲第2番とエレジー(第1番)が収録されている。
コントラバス奏者としては是非ともボッテシーニは録音したいのだろう。
始めに結論を出すと
持っているボッテシーニの第2番の中でもっとも下手な録音である。

まぁ、好みとかあるかもしれないし、私はド素人なのでひょっとしたら
上手いのかもしれないが私が持っている11種類の録音の中では一番下手だと思う。

第1楽章
伴奏が弦楽オーケストラ編成だと冒頭の派手な序奏がない場合があるが
この録音では伴奏が弦楽オーケストラ(微妙に木管楽器もいるが)
にもかかわらずがんばって冒頭を弾いている。
かなり寂しいがまぁしかたあるまい。
さて、ソロ登場!・・・なんとなしフレーズがぶつ切れである。
さらに自分で独奏パートを重音を取り入れるなどして
難しく改造しているにもかかわらず弾けていないのである。
重音の音程がやばい・・・
おそらくスタジオ録音なのにどうして編集しなかったのかが疑問である。
カデンツァなんかの重音もひどい物である。
というかカデンツァは弾けてないよ。
フレーズもないし向かうべき音も感じられない。
ボッテシーニの協奏曲第2番の聞き所の一つとして
カデンツァ後をいかに高速で弾くかというところがあるような気がするのだが
・・・遅い!

第2楽章
全体的に音程的に難がある。
いいところで音程をかなりはずしている。
第3楽章
遅い!!!
曲をさらっているテンポじゃないのか!
装飾音が自然じゃない!難しいところでテンポが相当に遅くなる!
もういくらでも文句かけちゃう。
まぁ、実際このレベルを弾けと言えば一生弾けないが。
言うは易しとはまさにこのことである。
ただ、技巧的に怪しいのにへんに音をのばして歌っているのも
不安定さを助長している。
難しいところでテンポが相当に遅くなる。
本当に途中で飽きてしまう。
最後が一部編曲されてるのが笑える。
そういうことはフルトーククラスの人がやることだろう。

こういう録音の伴奏ってどう思ってるのだろう?
「所詮、コントラバス協奏曲なんてこんなもんね。
 私のメンコンのほうがまだいいわよ。」
と思ってるのではなかろうか。まぁ確かにその通りなんだが・・・

さて、次にエレジー。これも弦楽伴奏。
本当にこの人のフレージングはぶちぶち切れる。
日本人好みでないだけかもしれない。
テンポ的にも落ち着かない。
この録音では一部変更して演奏されている箇所がある。
私の持っている譜面では
クライマックスの最高音の記譜上E(実音 Fis)を
D線のフラジオで鳴らすようになっているのだがその部分を編曲して
フレーズの途中から1オクターブ下げてFisの音を実音で演奏している。
確かにあのクライマックスをフラジオFisというのは
企画に無理がないとも言えなくないが
せっかくのクライマックスの途中で1オクターブ下げるのは興ざめである。
エレジーもたくさん録音があるのだから
そういう部分で妥協している部分ですでに他の録音と勝負にならない。

うーん、やはりこの人はイタリアの作曲家に
手を出すべきじゃなかったのではないだろうか?
ボッテシーニがこの有様だと
ラーションとかも他の奏者だともっと感動があるのでは?と邪推したくなる。
| コントラバスのCD | 19:00 | comments(0) | trackbacks(2) | pookmark | このページのトップへ
ちょっと脱線 タワーレコードの検索について
南東北に住んでいる私にとっては
CDやに行ってもまず輸入盤クラシックなどお目にかかれない。
いや、クラシックのCDすら置いてないのだ。(本当に)
そこで、クラシックを買うための生命線は通販になるわけである。
私がよく利用するのはHMVなのだが
理由は検索が充実しているから。
タワーレコードの検索はとにかく使いづらいのである。
というか、検索としての体をなしていないといえる。

昨日、今日と都に上り遊びほうけてきた。
CD屋へ行ったり、N響を聴いたり・・・とにかく音楽三昧で楽しかった。
・・・たまにはよかっぺ。
で、タワーレコード渋谷のクラシック売り場にて。
スヴェトラーノフ指揮のショスタコのチェロ協奏曲第2番の初演の
DVDを探していた。
しかし、店内が広いのでどこにあるかよく分からないので店員に聴いてみることにした。
「すいません、OOOはありますか?」
店員「レーベルとか分かります?」
「ちょっと調べてこなかったです。」
店員「少々お待ち下さい・・・」
店員はパソコンでおもむろにタワーレコードのホームページでレーベル等を
調べるために検索を開始した。
・・・
しかし、あの使いずらい検索では欲しいDVDまで行き着かなかった。
すると、!!!!
なんと、店員はお気に入りからHMVのホームページを開きそこで検索を始めたではないか!
店員「あぁ、これですね、では、在庫確認と・・・在庫ありますね。」

なになになに!タワーレコードの店員すらも自社のホームページの検索が使いづらくて
HMVの検索を使ってるわけ?
自社の検索システムをよくしようとは思わないのだろうか?
ライバル店のを使って恥ずかしくないの?

・・・タワーレコードの検索は改良されるまで使わないと決めた・・・

余談
昨日のN響のデュトワの演奏はすばらしかった。
| その他 | 21:18 | comments(2) | trackbacks(1) | pookmark | このページのトップへ
北欧のコントラバス作品 .蕁璽轡腑鵝.灰奪
昨年はモーツァルトイヤー、ショスタコイヤーだったが
どうやら今年は北欧イヤーになりそうである。
そこで北欧の作曲家の書いたコントラバスの作品が収められてCDを
紹介していきたい。
今回はスウェーデンの作曲家であるラーションとコックの作品が
収められたCDを取り上げたい。
このCDはHMVでは廃盤扱いになっていた。
手にはいるかどうかは不明だがレーベルのリンク(スウェーデンのレーベル)を記す。
http://www.opus3records.com/track/8522.htm

北欧のコントラバス作品といえば先に取り上げた
ラウタヴァーラがもっとも有名になるのだろうが
個人的にあれは嫌いなのでダメ。
その点でラーション、コックともに前衛ではなく安心して聞ける(笑)作曲家である。
このブックレットにこのCDの録音風景の写真があったが
バックのオーケストラ(弦楽)はずいぶんと少ない編成である。
まぁ、コントラバス協奏曲のような曲はそれぐらいの編成がいいのだろう。
クーセヴィツキーやトゥビンのような編成で
満足にコントラバスが聞こえるもんか。

まずはラーションのコンチェルティーノ。
全部で11分程度の確かに「小協奏曲」である。
いきなり脱線するがこのCDはもとはレコードだったのだろうか?
アタッカがあるわけでもないのに曲の楽章間のトラック分けがされていない。
まぁ、どうせ続けて聞くから問題はないが。
さて、このラーションのコンチェルティーノは
ラーションが様々な楽器のために書いた協奏曲の一つらしい。
ヒンデミットのソナタもそうだが
作曲家がいろいろな楽器のための作品を書こうという気になってくれないと
音楽が芸術になった以上、コントラバスのための作品は書かれないのかもしれない。
いくつか音源があるようでBISからも出ているし、海外のアマゾンで
イケメン風の男がジャケットのCDにも収録されていたのを見たので
万が一、このCDが手に入らなくても聞くことはできるだろう。
(BIS版はたぶんこれ 未聴なので保証はできません。
 http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=57368)

さて、1楽章・・・なんかに似てない?
・・・そうだ、ショスタコのヴァイオリンソナタの第1楽章だ。
気のせいかもしれないがそっくりな気がするのだが。
いかにも民族的なリズムとおもいきや、
たまにショスタコっぽい伴奏になるのがおもしろい。
2楽章、とにかくいい!
哀愁というか、切ない感じの伴奏の音型が頻繁に出てくるのがとにかくいい!
北欧の冬景色を彷彿とさせる。(行ったことないけど。)
この楽章があるだけで名曲といえそうである。
なるほど録音も多いわけだ。
3楽章は1楽章と同じショスタコ似の音型がテンポ違いで出てくる。
同じテーマでもテンポが違うので効果的である。
テンポの違う理由は3春になったのだろうか?
3楽章は全体的に1楽章と似ている。
テンポの違う理由は春になったのだろうか?
1楽章の冒頭に戻ったと思いきや、印象的な3連符で曲はフィナーレを迎える。
いい曲なので他の録音も是非聴いてみたく思う。
オススメの作品です。

お次はコックの「セレナーデ」という作品。
この作品はコックがこのCDのコントラバス奏者のの為に
わざわざ書いてくれた作品らしい。10分程度の短い曲。
1楽章は弦楽伴奏をバックに親しみやすい舞曲のような音楽を奏でる、
2楽章!これが美しい!
ラーションとは違い牧歌的な感じだが素晴らしい!
3楽章は再び春といった感じ。たぶん北欧の作品の
フィナーレは「春」が多いのだろうと思う。
日本のような気候では考えられいぐらい北欧の人にとっては
春が尊いのだろう。
最後はやはり1楽章の冒頭が出てきてフィナーレを迎える。
親しみやすい作品で素晴らしいがラーションの方が
芸術展的には高いかも。ただ、全体的に美しいすばらしい曲である。

さて、素晴らしい作品が続くこのCDだが
北欧の作品の何故か妙な作曲家が紛れ込んでいる・・・
なんでイタリアのボッテシーニが混ざっているのだ!
CDのコンセプトを破綻させてまで
温暖な地方の作曲家であるボッテシーニを弾きたいというのは
いかにもコントラバス奏者らしい。笑うしかあるまい。
収録されているのはコントラバス協奏曲第2番とエレジー(第1番)。
なんて月並みな選曲なんだ・・・

長くなるのでボッテシーニについては次回語る。
| コントラバスのCD | 21:30 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark | このページのトップへ
テレマン コントラバス史上初の協奏的作品
前回、コントラバス協奏曲を無駄に列挙したのだが
いわゆる史上初のコントラバス協奏曲とはなんなのだろう?
史上初のコントラバス協奏曲はわからないが
史上初の協奏的作品はテレマンの
「フルート,シャリュモー,オーボエ、2台のコントラバスのための協奏曲」らしい。
この曲は2台のコントラバスがたまに旋律を奏でるというもので
ひたすら旋律を奏でるわけではない。
2台のコントラバスはたいていは一緒に演奏し和音を奏でたり
掛け合いをする。
このテレマンの時代にしては特異な作品は別名「奇妙な交響曲」と呼ばれていたらしい。

この曲の入ったCDはアマゾンで購入可能
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%9E%E3%83%B3-%E6%A7%98%E3%80%85%E3%81%AA%E6%A5%BD%E5%99%A8%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E9%9B%86-%E6%9C%89%E7%94%B0%E6%AD%A3%E5%BA%83/dp/B0006B9YZU/sr=8-1/qid=1169207170/ref=sr_1_1/503-1981624-7525519?ie=UTF8&s=classical

この曲のタイトルを見たとき「シャリュモー」とはなんぞや?
ということをまず考えた。シャリュモーとは昔のクラリネットのことらしい。
以下のページに写真がある。
http://www.kichijoji.ath.cx/woodwind/k9805/chalumeaulink.html
しかし、このころのコントラバスとは一体どんな形をして
どんな調弦だったのだろうか?興味深いものだ。
以下憶測の話
昔はA級作曲家テレマンやら(時代は多少違うが)ハイドンが
コントラバスの作品を書いていた。
しかし、いまやボッテシーニを始めお世辞にもB級以下の
作曲家にしか相手にされなくなった。なぜだろう?
それは単純に言えば昔の作曲家はパトロンの要望で作品を書いていたから
嫌だろうがなんだろうがコントラバスのために作品を書いてくれたのだ。
ロッシーニというA級作曲家さえもパトロンの要望で
大序曲「コントラバスのためのオブリガード」なんていう作品を
書いていたくらいだ。
ベートーヴェンは「英雄」「運命」などの作品でコントラバスの地位を高めたと言うが
ベートーヴェンが音楽を芸術に押し上げたことで
昔のような作曲家のスタイルがなくなりコントラバスの作品なんぞ
かかれなくなってしまった。
まぁ、かなーーーーり極端に言えばベートーヴェンは
コントラバス独奏の道を断ってしまったとも言える。
(まぁ、圧倒的に功の方が多いが・・・)
現在かかれているコントラバス協奏曲で
有名らしい現代作曲家が書いている物が2つある。
ヘンツェの協奏曲とラウタヴァーラの協奏曲だ。
この二人が100年後A級作曲家として認知されていれば
コントラバスも誇るべき作品ができるかもしれない。
その時はボッテシーニなんぞくずかごに捨ててしまえ。(笑)

さて、話がそれてしまったがテレマンの感想。
うん、間違いなく眠くなる。
2楽章なんぞ、コントラバスなんか全く出てこないぞ!
出てきたのに気づかなかったのかもしれないが・・・
ただ、いい曲かもしれない。(眠くなることとおもしろくないのはこの場合別次元)
3楽章の迫力なんかはロマン派音楽などにはないのではないか。
全体的に結構コントラバスが難しそうに聞こえるのだが
当時の人は弾けたのだろうか?

まぁ、1000円だし、コントラバス作品を集める私としては
この記念碑的な作品は外せない物があったため買ったが
一般にオススメできるのかどうかは分からない。

ちなみに史上初の4度調弦のためのコントラバス協奏曲は
ヒンドゥルのコントラバス協奏曲らしい。
ニーダーハマー(Niederhammer)が録音してるのだが廃盤のため手に入らない!
(HMVに注文したら廃盤とお知らせが来て相当ショックを受けた。)
このニーダーハマーのCDには他にもロータのコンチェルタンテとか
ラーションのコンチェルティーノとか収録されていて
是非聴いてみたいので、持っていていらないという方がいたら
是非コメントを下さい。
| コントラバスのCD | 21:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | このページのトップへ
パトリック・ズュースキント作 「コントラバス」
最近読んだ本はパトリック・ズュースキントの「コントラバス」である。

余談であるが私は読書においては12年前ぐらいから星新一のファンである。
おそらくほとんどの文庫本を持っているのだが
最近苦々しく思っていることは
2,3年前に軽い星新一ブームがあったらしく、
それに便乗した星新一の新装版の表紙の挿絵がことごとく
得体の知れない作家の絵になっているのである。
星新一の挿絵は真鍋博か和田誠と決まっているんだ!
真鍋博のちょっと気持ち悪い絵がいいのじゃないか!

もっとも好きだった「声の網」という文庫本も新装版が出るらしい。
この傑作も表紙が代わってる!あぁきにくわない。
まぁ、単にノスタルジィを壊されただけなのだが。

まぁ、それは余談としていわゆる有名なパトリック・ズュースキントの
「コントラバス」をついに読んだ。
内容に関しては方々で語られているので割愛するが
第一の感想としては「コントラバスを知らない人が読んでこれは分かるのだろうか?」
ということである。
どうしてこれが一般にも受け入れられたのかが謎である。
読んでいて結構難しい上、ところどころ疑問を感じざる得ない部分もある。
例えば、モーツァルトの下りのところで何故、
コントラバスを伴ったオブガードの話が出ないのだろうか、だとか
ヘンツェについて語りながらヘンツェのコントラバス協奏曲について
触れないことなど疑問に感じた。
しかし、この本は哲学あるいはエンターティメントとして捉えるべきなのだろう。
哲学としては難しすぎて私には分からない。

コントラバスの一般的なイメージというのはおそらくああいうものなのだと思う。
歌とコントラバスは相容れないということを力説しているが
ゲーリーカーが歌手にしかもらえないメダルをもらったとかいう話もある。
コントラバスで歌うゲーリーカーはやはり革新的な奏者だったのだろう。
やはりそこから考えてもコントラバスソロは歌で勝負するべきなのかもしれない。
いかに超絶技巧でもこの作者の言うジレンマに陥ってしまうのだろう。
フルトーク、バディラ、確かにうまい・・・が
やはり歌を伴ったゲーリーカーには勝てないのだろう。
そんな事を改めて考えさせられた。

なんだかまとまらない感想だがまぁ、つまらなくもない本だった。
私のような凡人には溝入氏の「コントラバス 虎の巻」のほうがおもしろいかな・・・
| コントラバスの話 | 20:31 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark | このページのトップへ
北欧の巨匠 ラウタヴァーラのコントラバス協奏曲「黄昏の天使」 後編
嫌いな曲をどうコメントしたらいいものやら・・・
前回の続きである。なるほど、この曲についてコメントしたくなかったから
無意識に延々と馬鹿なリストを書いていたのかもしれない。
ちなみに前回のリスト、シューラーのコントラバス協奏曲がぬけていた。
どうでもいいけど。
この曲はクーセヴィツキー未亡人に献呈されたんだったような気がする。
婦人は献呈されてどういう気分だったのだろうか?
そんなことは絶対にあり得ないがもし、私がこの曲を献呈されたならば
困惑してしまいそうである。
とりあえず、コメントするためにはもう一度聞くしかないないと思い
半ば嫌々と再びラウタヴァーラの協奏曲を聴いた。
以下、聞きながら書くことにする。

第1楽章
あぁ、ソリストが出る前の序奏ですでに気持ち悪くなってきた。
なんて表現したらいいのだろう音がうねるのである・・・おぇ
独奏が入ってもソロがうねるうねる・・・おぇ
トランペットの合いの手は不安を高めるし。
今度は重音でうなってるよ・・しかも不協和音だよ・・・おぇ
1楽章はひたすらうねっておりました。
この不安な感じのどこが「天使」なんだ?
「天使」といえばベルクのヴァイオリン協奏曲も「ある『天使』の思い出に」
だったな。この曲も何度かチャレンジしたがわけがわからない。
音楽に出てくる天使はどうも景気のよい存在ではないようだ。

第2楽章
なんだよこのスルポンティは・・・おぇぇ
聞いていて・・・どうでもいいことを思い出した。
3年ぐらい前、当時の彼女とビデオを借りようということで
レンタルビデオやに行ったのだが
その時私はあろうことか「ファニーゲーム」というビデオを
おもしろそうだと思い、「借りよう」と彼女に提案した。
(どんなビデオかは是非?見てみて欲しい。)
彼女は「違うビデオにしよう」と言ったが
「ぜったいにおもしろい」と説得し強行に借りた気がする。
「ファニーゲーム」を彼女と見てしまったときはまいったねぇ。
金がもったいない上、自分で借りると主張したので
途中で「やめよう」というわけにもいかず
結局全部見るハメになった。いやぁ、あの気まずさは
文章では表現できない。
他にもペンデレツキの「広島の原爆のなんとか」という作品を彼女のうちで
かけてしまったのも気まずかったこと気まずかったこと。

今、そんな気分である。ラウタヴァーラの作品をこのブログで取り上げてしまったので
感想を書かなければとは思い無理矢理聞いてしまってるのだが
正直もう聞くのをやめたい。
ラウタヴァータは偉大なのかもしれない。
こんなにも人を気持ち悪くさせるのだから何も感じない作品よりは
曲そのものにはとてつもないエネルギーがあるのだろう。

第3楽章
いつ3楽章になったの?
遅いテンポでじわじわと気持ち悪い。おぇぇぇ。
おっ、軽快なリズムが出てきたぞ、少しは我慢できそうだ。
もう少しで終わるぞがんばれ、あと五分だ!
ましになったと思いきや、
なんじゃ、このヴァイオリンの不安感は!!!おぇぇぇ。
また、ソロが重音でうなりだしたよ、この表現マジで気持ち悪いんだよ。おぇぇぇ。
チェレスタを伴奏に気分が悪くなるフレーズを奏でだした。
よくもまぁ、こんな気持ち悪い組み合わせを考えるもんだ。
どんどん楽器が増えくよ、勘弁してくれよ・・・おぇぇぇ。
・・・・やっと終わった。
昔、読んだドラえもんに
「ジャイアンの歌を聞いていて一番いいのは終わったときだ」とかいうのが
書いてあった気がするがまさにそういう気分である。
ディッタースドルフでも聞いて耳を浄化せねば・・・
ディッタースドルフのなんたる快さ、なんたる名曲!
シュトライヒャー万歳!シュトライヒャー万歳!
マヌケなフレーズもラウタヴァーラに比べれば美しいことこの上ない!
「空腹は最高のスパイス」というが
「ラウタヴァーラの後はあらゆる曲が名曲になる」である。

ラウダヴァーラの協奏曲はこのCD以外にも
もう一種類録音があった気がするがとても聞き比べる気にもならない。
まぁ、私はそう思ったが好きな人は好きなのかもしれないので
なんともいえないが、
23世紀の人がこんな音楽ばっかり聞いていたとしたら
私はこの時代に生まれて幸せだったと思えて仕方がない。
ラウタヴァーラは再び封印することにする。さようなら。
| コントラバスのCD | 22:16 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark | このページのトップへ
北欧の巨匠 ラウタヴァーラのコントラバス協奏曲「黄昏の天使」
ラウタヴァーラの作品集に入っているコントラバス協奏曲。

HMVで購入可能
http://www.hmv.co.jp/product/detail/693872

ラウタヴァーラは北欧の巨匠で世界的にも評価が高いらしい。
けど、俺はこの人ダメである。
このCDだけがだめというわけではない。
昨年、BSを見ていたらN響定期でラウタヴァーラの作品を日本初演していた。
やはりダメだった。
聞いてると不安になるだけでなく気持ちが悪くなる。(本当に)
まだ、クセナキスでも聞いていた方が快い。

一昔前、
ボッテシーニのコントラバス協奏曲(第2番)、
クーセヴィツキーのコントラバス協奏曲は私にすさまじい刺激をもたらした。
「コントラバスにもこんなかっこいい曲があるのか!
 ほかにも探せばいっぱいあるかもしれない。」
これがコントラバスのCDを無駄(?)に大量に買うきっかけとなった。
一時期、「コントラバス協奏曲」と名の付く曲を買いあさっていた時期がある。
その結果現在持っているコントラバス協奏曲は以下のものである。

ベネット      コントラバス協奏曲
ボッテシーニ    コントラバス協奏曲第1番(嬰ヘ短調)
          コントラバス協奏曲第2番(ロ短調)
カプッツィ     コントラバス(ヴィオラダガンバ)協奏曲
チマドール     コントラバス協奏曲
ディッタースドルフ コントラバス協奏曲第1番(変ホ長調)
          コントラバス協奏曲第2番(ホ長調)
ダウニー      コントラバス協奏曲
ドラゴネッティ   コントラバス協奏曲 ト長調
          コントラバス協奏曲 イ長調
偽ドラゴネッティ  コントラバス協奏曲(ナニー編)
フランセ      コントラバス協奏曲
ヘンツェ      コントラバス協奏曲
ホフマイスター   コントラバス協奏曲第1番
ヴォースレフ    コントラバス協奏曲
ジョセフ      コントラバス協奏曲
クーセヴィツキー  コントラバス協奏曲
ランチェン     コントラバス協奏曲
メイヤー      コントラバス協奏曲(第1番 第2番ができたという噂を聞いた)
ノイベルト     コントラバス協奏曲
ラウタヴァーラ   コントラバス協奏曲「黄昏の天使」
シフリン      コントラバス協奏曲
スカルコッタス   コントラバス協奏曲
シュペルガー    コントラバス協奏曲
トゥビン      コントラバス協奏曲
ウルバンナー    コントラバス協奏曲
ヴァンハル     コントラバス協奏曲
ツィマーマン    コントラバス協奏曲
(コンチェルティーノだとか、コンチェルタンテだとかの協奏的作品は除く)

・・・我ながらかいていてばからしいと思った。
なんたるB級、C級あるいはそれ以下の作曲家の集まりだ!
一体、この中に名曲が何曲あったというのだ!
一体、この中にコントラバスを演奏する人以外に受ける曲が何曲あったというのだ!
一体、この中の何曲が後世に残るというのだ!
そんなものを喜んで集めてる自分はなんと愚かなのか!

まぁそこがおもしろいのだが。

試しに脱線しまくるが他の楽器の協奏曲ってどれぐらい知ってるだろう。
ピアノ
ラフマニノフ       ピアノ協奏曲第2番
             ピアノ協奏曲第3番(大好きな曲)
チャイコフスキー     ピアノ協奏曲第1番
             ピアノ協奏曲第2番(この曲、好きになると思うんだが)
ショパン         ピアノ協奏曲第1番(おもしろいのは序奏だけ)
             ピアノ協奏曲第2番
ショスタコーヴィチ    ピアノ協奏曲第1番(エネルギーのかたまり)
グリーグ         ピアノ協奏曲
             (便器の洗浄剤のCMに使って欲しくなかった)
プロコフィエフ      ピアノ協奏曲第2番
             ピアノ協奏曲第3番
バルトーク        ピアノ協奏曲第3番
ラヴェル         ピアノ協奏曲
             左手のためのピアノ協奏曲
ベートーヴェン      ピアノ協奏曲第4番(5番より好き)
             ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
シューマン        ピアノ協奏曲(つまらない)
ブラームス        ピアノ協奏曲第1番(長くなければなぁ)
             ピアノ協奏曲第2番(長いよなぁ)
リスト          ピアノ協奏曲(ショパン一緒でつまらない)
八代秋雄         ピアノ協奏曲
まぁ、こんなもんか。

ヴァイオリン
ヴァイオリン       ヴァイオリン協奏曲
メンデルスゾーン     ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー     ヴァイオリン協奏曲
ブラームス        ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン      ヴァイオリン協奏曲(どこがいいのかさっぱり分からない)
ショスタコーヴィチ    ヴァイオリン協奏曲第1番(世紀の名曲)
             ヴァイオリン協奏曲第2番(じつは名曲)
ドヴォルザーク      ヴァイオリン協奏曲
シベリウス        ヴァイオリン協奏曲
プロコフィエフ      ヴァイオリン協奏曲第1番
             ヴァイオリン協奏曲第2番
グラズノフ        ヴァイオリン協奏曲
コルンゴルド       ヴァイオリン協奏曲
ぱっと思いつくだけだが・・・意外にしらねぇな・・・

ヴィオラ
ヒンデミット       白鳥を焼く男
            (タイトルだけやたら強烈に覚えているが
             どんな曲か知らない)
バルトーク        ヴィオラ協奏曲

まぁ、普通知っているのはこんなもんでしょう。
あっ、バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番っていい曲もあったっけ。
ヴァンハルとかディッタースドルフのヴィオラ協奏曲もあったっけ。

チェロ
ドヴォルザーク       チェロ協奏曲
ショスタコーヴィチ     チェロ協奏曲第1番
              チェロ協奏曲第2番(最近のお気に入り)
(余談だがロストロの初演時のDVDが
               欲しくてたまらない!たぶん買ってしまいそう。)
サンサーンス        チェロ協奏曲
エルガー          チェロ協奏曲(竜頭蛇尾)
シューマン         チェロ協奏曲(どこがいいんだ?)
ラロ            チェロ協奏曲
ハイドン          チェロ協奏曲第1番
              チェロ協奏曲第2番
プロコフィエフ       チェロ協奏曲第2番(長い・・・)

他にも知っている気がするが出てこないな。

管(笑)
アルチュニアン       トランペット協奏曲
ハイドン          トランペット協奏曲
モーツァルト        ホルン協奏曲(どれが何番かも分からない)
R・シュトラウス      ホルン協奏曲第1番(つまんない曲)
V・ウィリアムズ      チューバ協奏曲(正直、聞いたことないな)
モーツァルト        クラリネット協奏曲
              オーボエ協奏曲
              フルート協奏曲第2番(第1番はよく知らない)
              ファゴット協奏曲
R・シュトラウス      オーボエ協奏曲
本当にこれしか知らないかもしれない

その他
ロドリーゴ         アランフェス協奏曲
ヘンデル          ハープ協奏曲
ディッタースドルフ     ハープ協奏曲(結構好き)

なんだか、コントラバス協奏曲ばかり知っていて偏ってるなぁ。

で、脱線しまくったので何が言いたいかというと、
コントラバス協奏曲を買いまくっていた時期に、
始めて行った某電気屋の秋葉原店で3枚の未聴のコントラバス協奏曲を見つけた。
(そのころは某電気屋の秋葉原店はエレベーターにアニメのポスターが貼ってあって
 田舎者としてかなり驚いた。)
見つけたのはフランセとトゥビンとラウタヴァーラである。
金がなく1枚しか買えなかったので悩んだあげくラウタヴァーラを選んだ。
理由はラウタヴァーラの協奏曲についていた副題である。
ラウタヴァーラの協奏曲には「黄昏の天使」という副題が付いているのだ。
「あぁ、この副題なあらロマンチックでいい曲だべ。」

後にこれが大きな誤算だと分かったのだがその話は次回。
| コントラバスのCD | 21:28 | comments(0) | trackbacks(2) | pookmark | このページのトップへ
Bottesini Cimador Dragonetti Lorenzetti イタリアのコントラバス作品集 後編
Cimadorというイタリアの作曲家にコントラバス協奏曲があるというのは
前から知ってはいたのだがこのCDで初めて聞いた。
曲は15分より短いとても明るい素朴な曲。
序奏がやたら長いところがカプッツィの協奏曲と似ている気がする。
あまり高い音域をつかった曲ではなくカデンツァもない。
超絶技巧の曲ではないが素朴な愛すべき佳作と言える。

つづいて、ドラゴネッティの「アンダンテとロンド」。
「本物」のドラゴネッティの作品の中ではもっとも有名だと思う。
何かで読んだのだが、ドラゴネッティの作品で
ドラゴネッティはコントラバスのパートしかかかなかったことが多いらしい。
ピアノ(またはオーケストラ)は後になってだれかが
付け加えたようだ。この「アンダンテとロンド」がそうかどうかは分からないが
コントラバスがひたすら雄弁である。
ただ、素朴なドラゴネッティの作品の中でこの憂いのある旋律は珍しい。
なるほど、一番の代表作になる理由も分かる気がする。
このCDの演奏はオーケストラチューニングで演奏されているので
素朴な感じでとてもよいと思う。
クラウス・シュトールのように「うむ!」という演奏ではないが
安心して聞いてられる。

次はロレンツィーティのガヴォットがオーケストラ伴奏で演奏されている。
オーケストラ版は初めて聞いたが伴奏の楽しげなピチカートがとても
作品の雰囲気に合っている。
この録音では他の録音にないカデンツァまで演奏されている。
ナチュラルなフラジオを効果的に使った一見難しそうな
そうでもないカデンツァがとても好印象。

最後にボッテシーニのタランテラ。
この演奏もこの録音ではあまり超絶技巧のように弾いておらず
素朴な感じであるがこの難曲をそのように聞かせるのは逆にすごい。
はたして当時、ボッテシーニ本人は超絶技巧に弾いていたのだろうか?
案外このように弾いていたのではないか?と考えさせられた。
(ただ、ボッテシーニの作品までオーケストラチューニングというのは違和感も
 感じるが。)

全体的に「イタリア」といった感じのCD。
超絶技巧な感じやドラマティックな感じはないが
一枚通して聞いても飽きがこない魅力がある。
また、Cimadorの協奏曲が収められているという点で貴重なCD。
| コントラバスのCD | 16:29 | comments(1) | trackbacks(1) | pookmark | このページのトップへ
Bottesini Cimador Dragonetti Lorenzetti イタリアのコントラバス作品集 前編


行ったことがないから言えるのだが、イタリアって絶対いい国だと思う。
美しい海、酒、歌でも歌え・・・あまりにもステロタイプな見方だが
ロッシーニ、ヴェルディやボッテシーニの作品を聴くと
そう思わざるえない。
今回紹介するのはそんな、イタリアの素晴らしいエッセンスが凝縮されたCD。
イタリアのレーベルRivo Altoが出している。

このCDがうちに届いたとき、ジャケットを見て仰天した。
「しまった!こんなジャケットのCD持ってるぞ!
 ついにダブって買ってしまったか!」
しかし、よく見てみると・・・ん、微妙に違うな・・・
ジャケットを見間違ってしまったCDは以下のドラゴネッティのCD


(HMVで購入可能 http://www.hmv.co.jp/Product/detail.asp?sku=966291)

似すぎというか色違いなだけで同じ絵である。色の違いは印刷の都合か?
全く違うレーベルから出てるのに似たようなテーマのCDで
ジャケットがかぶったというのは偶然なのだろうか、必然なのだろうか?
なんていう絵なんだろう。この絵もイタリアのよいエッセンスが詰まってる
非常に象徴的な絵だと思う。

さて、CDの内容。
非常に小編成の弦楽オーケストラを伴奏に演奏している。
コントラバスの音量は小さいため、協奏曲には向かないと言われる。
トゥビンだとかスカルコッタスのようにPAなしじゃ絶対に独奏の音が
聞こえないと思われるコントラバス協奏曲や
クーセヴィツキーのように聞こえても単調になりがちな協奏曲もあるが
このような小編成のオーケストラ伴奏も迫力がないが愛すべき物がある。
さらにこのCDでは全曲、オーケストラチューニングで演奏されているので
コントラバスらしい素朴な音色が味わえる。

さて、このCDに対して非常に興味があったのは
収録されているドラゴネッティの協奏曲は本物かどうかという点であった。
ドラゴネッティの協奏曲というと現在は
編集者であるナニーの作った偽物が「ドラゴネッティ」の協奏曲として
出回っているという話は以前書いた。
(ナニーに関しては以下のページで
 http://en.wikipedia.org/wiki/Edouard_Nanny
それを聴いたせいなのかもしれないが偽ドラゴネッティの協奏曲は
一見派手ではあるがディッタースドルフ、ヴァンハル、カプッツィなどの
協奏曲と比すると非常に芸術点が低く思えるのである。
一見コントラバスで派手に見えそうな技巧を使っているだけの曲なのだ。
いかにも作曲家ではなく「コントラバス奏者」によって
書かれた曲という印象である。
さて聴いてみると・・・偽物じゃん フランスの作品がまぎれちったよ
けど、聴いてみるとこれがなかなか好演なのである。
以前この曲の1楽章をコンチェルト形式で演奏したくて、
ピアノパートを弦楽四重奏にへたくそにアレンジして
知り合いと演奏したことがあるのだが、
このCDも弦楽伴奏なのでそのことが思い出された。
また、自分がこの曲を練習していたときは
本番直前までオーケストラチューニング(ト長調)で練習していた。
その点もこのCDはオーケストラチューニング(ト長調)で演奏されているため
自分が演奏したことを思い出した。
さて、脱線してしまったが
超絶技巧っぽいものをみせつけるだけになりがちな1楽章を
この奏者はじつに見事に素朴に演奏している。
(1楽章のオーケストラだけの部分に若干アレンジが加えられているのも
 この録音のひとつの特徴といえる。)
2楽章の歌い方なんかはこの録音はとてもうまい。
ゲーリーカー録音のような歌い方も好ましいが
この録音のような歌い込み方の方が作品にふさわしいかもしれない。
ナニー版の楽譜にはある2楽章のカデンツァは行っていない。
偽物の作品ではあるがじつにいい演奏を聴くことが出来た。

長くなってきたので残りの曲目については次回述べたい。
| コントラバスのCD | 22:17 | comments(0) | trackbacks(2) | pookmark | このページのトップへ
クーセヴィツキー自作自演集

(画像はhttp://www.h6.dion.ne.jp/~socrates/chamber.htmlにあった物を
 お借りして拡大して掲載しています。不適切な場合は削除します。)

2007年一発目は、ドラゴネッティ、ボッテシーニと並ぶコントラバス界の
歴史的巨匠、クーセヴィツキーによる演奏が収められたCD。

HMVでは廃盤扱い。
カデンツァでは取り扱っているが注文したのに1年半も入荷しない。
(私の注文が忘れられてるだけかもしれないが。)
http://www.cadenza-cd.com/index2.html
結局ヤフーオークションに出品されていたのを購入。

クーセヴィツキーの演奏「低音王供廚
「悲しい歌」とエクレスのソナタ(第1楽章)が収められたことで話題になった。
このCDはそれ以外のクーセヴィツキーの残した音源も収録されている。
クーセヴィツキーが指揮者として有名になった後に
コントラバス奏者として2年間活動したときの記録らしい。
なのでロシア時代にのコントラバスのヴイルトゥオーゾとして
活躍した頃よりはテクニックより技術が衰えた可能性はある。
古いCDだけあって音は悪いが
おそらくコントラバス独奏の最古の録音ではないだろうか。
そういった意味でも貴重なCD。
収録曲はボッテシーニの作品などはなく、
アンコールなどに演奏されそうな小品ばかりである。
シュトライヒャーによってボッテシーニの作品が紹介されたという話を
聴いたことがあるがやはりクーセヴィツキーの頃は
ボッテシーニの作品は知られていなかったのだろうと思う。

エクレスのソナタの第1楽章が2種類録音されているのがおもしろい。
しかも調整がト短調ではなくニ短調である。
昔はコントラバスで演奏される作品という物が
まだ流動的であったのだなと思う。
続いてラスカの子守歌。
コントラバス奏者であったラスカの作品はこのころすでに
クーセヴィツキーによって演奏されていたわけである。
伝統的な作品であるラスカの作品は
もっと広く流布してもよいのではないだろうか。
次はベートーヴェンのメヌエット(ト長調)
松野茂氏の教本の後ろの方にこの曲が載っていて(調整はイ長調だが)
コントラバスはじめたての頃、弾けるようになりたいと思った物である。
そういえば、コントラバスのこの曲の音源はこれしかない。

全体的な感想としてはポルタメント(特に下降ポルタメント)
を多用した濃厚な歌いまわしが特徴。
楽器はアマティだろうか?
クーセヴィツキー婦人がゲーリーカーの演奏を聴いて
「夫のようだ」といってアマティを与えたという話は有名であるが、
たしかにこの濃厚さはカーに通じる物がある。

このCDの魅力としてクーセヴィツキーの作った曲を
クーセヴィツキーの演奏で聴けると言うことがある。
「悲しい歌」「小さなワルツ」「協奏曲」より第2楽章が収録されている。
協奏曲の残りの楽章や「アンダンテ」「ユーモレスク」も欲しかった。
「アンダンテ」と「小さなワルツ」は作品1ー1と1−2としてつくられながらも
独立して演奏されることが多いが
クーセヴィツキーも独立して演奏してる(と思われる)ことが興味深い。
また、協奏曲の第2楽章の最後の部分は
楽譜より1オクターブ上げてフラジオで演奏する録音が多いが
クーセヴィツキーも1オクターブ上げてること。
このことも興味深い。

この録音の頃のクーセヴィツキーのテクニックは
はたしてボッテシーニやグリエールの(クーセヴィツキーのために作曲された)作品を
演奏できるのかどうかはかなり怪しいところではある。
だがクーセヴィツキーは
濃厚な歌い回しによってコントラバスの一つの可能性を開いたのではないかと
思わせたCD。
| コントラバスのCD | 23:17 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark | このページのトップへ