さんざん、非難したヤルダーニのボッテシーニ集の第4弾。
HMVで購入可能
http://www.hmv.co.jp/product/detail/64514
私は以前このヤルダーニという奏者のボッテシーニ集の第5集を
購入したにもかかわらず、第4集も買ってしまった。
理由はこのヤルダーニという奏者はハッキリ言ってうまいとは思えないが
聴いてみたくなる曲をCDに収録しているのだ。
第5集の時は「コンチェルトブラヴーラ」のオーケストラ伴奏に魅力を感じて
購入したのだが、
第4集は「ロッシーニの主題による幻想曲」に魅力を感じて購入した。
「コンチェルトブラヴーラ」、「ロッシーニの主題による幻想曲」は
音源がほとんどないのである。ボッテシーニファン(?)の私としては
奏者が下手だろうとなんだろうと聴かざるえまい。
やや話は脱線するし、確信のある話ではないが「ロッシーニの主題による幻想曲」が
半年前ほどに「日本初演」したという話を聞いた。
今頃初演なのかと驚く反面、ボッテシーニのなんか所詮
超マイナー曲なんだから当たり前だとも思った。
こないだ東京でCDを見ていて驚いたのだが、
NBBから出てる斉藤輝彦氏のCD第2弾のボッテシーニ協奏曲第2番は
実は日本人奏者初録音らしい。
・・・・言われてみれば河原氏も永島氏も池松氏も深沢氏も録音していない。
(河原氏の演奏は生で聴いたことがあるが。)
あんだけ腐るほど音源があるボッテシーニの第2番なのに、
やはりボッテシーニという作曲家はコントラバス奏者が思ってるよりもはるかに
マイナーなんだろう。
さて、肝心の「ロッシーニの主題による幻想曲」の感想。
この曲の2楽章って「パッショーネアモローゼ」の第1楽章の前にも
演奏されることのある不思議な曲である。
正直、ロッシーニは人並み以上によく知らないので
有名な主題とかでてたとしても分からない。
ただ、やはりロッシーニはボッテシーニよりはるかにビッグなんだろうと思うのは
旋律がボッテシーニよりはるかにおもしろい。
3楽章なんかはボッテシーニではとてもかけないのではないだろうか。
さて、このヤルダーニ集はブックレットがおもしろいと評判なので
読めぬ英語を無理して読むとおもしろい事実が分かった。
「クラリネットとコントラバスのためのグランドデュエット」は
ボッテシーニの父親がクラリネット奏者で父親のためにかいたらしい。
(英語が読めないので違うかもしれないが。)
ただ、ボッテシーニの親父はB♭のクラリネットしか持っていなかったため
ボッテシーニはコントラバスのチューニングを普段のA、E、Hではなく
半音上げてB♭、F、Cにしたらしい。
(現在のソロチューニングのさらに半音上)
ただ、後にボッテシーニの親父がA管クラリネットを購入したため
もとのチューニングで演奏されたとか。
私はこの曲の録音を5種類持っている。(うち一曲はフルートによる編曲。)
この記事を書きながら確認したのだが、
ロロフセンとRieber盤はB♭、F、Cでおそらくチューニングされている。
(ちなみにRieberはこのチューニングで協奏曲第2番を弾いており
C−mollの協奏曲第2番が聞ける。)
半音の差なのでよくわからないし、
奏者の差もしれないがA,E、Hのチューニングよりも
B♭、F、Cチューニング方が味わい深く感じる。
まぁ、半音高くなれば弦の張力が増し、音に輝きが出るわけだ。
ヴァンハルのEs−dur版とかディッタースドルフの協奏曲第1番と同じ原理である。
この曲は圧倒的に以前紹介したRieber盤がオススメ。
クラリネットもうまいし、全体的にムードもたっぷりある。
(HMVで購入可能 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1991499)
以下、個人的なことなんだが昔つきあっていた彼女が
クラリネットを吹く女だったので
コントラバスとクラリネットが愛を語る(?)この曲聞くと
昔を思い出して複雑な気分になるので一時期封印していた。(笑)
その前につきあっていた女性はヴィオラを弾く人だったのだが、
ディタースドルフのシンフォニアコンチェルタンテは
愛を語る曲ではなさそうなので幸い封印する必要を感じなかったのでよかった。
今つきあっている女性は打楽器をたたく人なので、
コントラバスと打楽器のための曲は知らないので
仮に分かれても封印する曲はなさそうである。
ハッキリ言ってこのCD。どの録音も特筆すべきレベルにない。
「ロッシーニの主題による幻想曲」を聴きたい人向きなのだろうが
そんなの聴きたい人は日本中で私だけかもしれない。