さぁ誰も待ってないだろうけど待ってました,
二大巨匠のボッテシーニ聞き比べである。
さしずめ,「ゴジラ対キングコング」だろうか。
(この映画見たことないけど。)
さて,聞き比べる曲はエレジーとタランテラ
エレジーとはおそらく最も人気のある
ボッテシーニの小品だろう。いい曲である。
エレジーなのに長調なのも興味深い。
チャイコフスキーの弦セレのエレジーも確か長調だっけか?
タランテラは超超絶技巧の曲らしい,まぁ,一生弾けないだろう。
グリエールのタランテラの方が個人的には好き。
余談だが「エレジーとタランテラ」という
二曲を強引に(?)くっつけた曲があるが
これは大嫌いである。エレジーのあとは静かに終わりたい。
グリエールの「インテルメッツォとタランテラ」のように
よい効果を上げていない。タランテラに魅力がないせいかもしれない。
さて,タランテラから。
まずはゲーリーカー,序奏のテンポが速いのが特徴。
ゲーリーカーってこういう
リズミックな曲が上手くない気がする。
テンポが速くて音色がいかせないせいか,
リズムのもたつきをどうしても感じてしまう。
それに引き替え,シュトライヒャーは上手い上手い。
はじめ聴いたときはそんなに上手いと思わなかったが
ゴイラフさんの下手くそなタランテラを聴いたあとに
シュトライヒャー盤を聴いて息をのんだ。
なんたるうまさだ!!
うまいとは下手な人がいてこそ成り立つ定義なのかも知れない。
カーが不器用にスキップしてるとすれば,
シュトライヒャーは起用に側転している感じである。
次にエレジー,この曲はシュトライヒャー盤を聴く前から
とても好きだったのだが,
初めてシュトライヒャー盤を聴いたとき
はじめの2小節を聴いてびっくりした。
ピアノの序奏にとにかく哀愁が漂っているのである。
シュトライヒャーの音色は細い感じだが
とにかく男のロマンを感じる演奏である。
例えるなら,女に振られたあとキザに去るといった感じか。
映画「ローマの休日」のラストシーンで
男が振り返りもせず宮殿みたいなとこ去っていくのに似ているかも。
また,脱線だが
「ローマの休日」「スタンドバイミー」「サウンドオブミュージック」は何十回見ても名作だと思う。
本当にいい映画は色あせない。
オードリーヘップバーンと車の中でおでこにキスするシーンを見たとき,
「これはかっこいい!」と思って,
おでこにキスするのを「ローマの休日キス」と名付けて,
実際に自分でやってみるが全くかっこよく決まらない。
これは男の格の差だろう。
スタンドバイミーは男のロマンだね。あの男の友情ってのは
抗議を承知で言えば女には多分一生分からない世界なのだろう。
このビデオを女性と見たことがあるのだが
その女性はこの映画の面白さをさっぱり理解できなかった。
もう,脱線ついでに脱線しまくるが
「サウンドオブミュージック」・・・これはうちにビデオもあるし
30回は見たのではないだろうか。
もうマリア先生,歌が上手すぎ。
噴水のところでドレミの歌のクライマックスを決める所なんか
何十回見ても大きな感動がある。
「どんなときでも列をくんで」なんて日本語の歌詞は
破棄した方がよいだろう。
そして,トラップ大佐の後妻候補の男爵夫人のあまりにかわいそうさ。
トラップ大佐の心移りで捨てられるのだ。
「新婚旅行は世界一周がいいかしら?」と述べる婦人に対して
大佐が「もうやめよう」とか言う,婦人は
「私には別な男がすぐにできるは」みたいなシーン。最高である。
大佐の気持ちもよく分かるし,婦人の気持ちもよく分かる。
男爵夫人といえば一回,女のいじわるで
マリアさんを追い出すのだが,トランクケースを持って
逃げるマリアさんをバックにファンファーレが鳴り
インターミッションになる。
最近の映画はよく長すぎると思うんだが
こんな効果的なインターミッションの使い方があるだろうか?
この男爵夫人は第二次世界大戦で無事生き延びたのだろうかなどと
考えると胸が熱くなる。
クライマックスが大佐と昔親しかったナチスの青年将校が
亡命を試みる大佐一家を見つけたときのやりとりも最高である。
銃を前に平然と歩く大佐のあのかっこうよさ,
大佐は青年に「一緒に行こう」と言うが
青年は大佐を撃つことも一緒に行くこともできずに
「大尉殿!」となかまを呼ぶのである。
青年はナチスを信じたかったし,けれども職務にも忠実になれなかった。
非常に感慨深い。
この青年も戦争を生き延びたのだろうか?
生き延びたとしても第3帝国の崩壊に青年は何を感じたのだろうか?
すんげぇ,脱線しました。全く予定外。
まぁ,とにかく「サウンドオブミュージック」は見て欲しい。
ってまぁ見たこと人が多いのだが中学校の音楽で途中まで見たとか
抜粋を見たととか言う人が多い。
テレビで年一回流行るのでもしちゃんと見てない人がいたら
見て欲しい。
予定になかったが次回こそ,シュトライヒャーとカーについてかく。