専門家が見たら(見てるらしい!?)激怒必至!の
いやらしいアマチュアのコントラバスのCD批評が中心。
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河原泰則氏のCD コントラバスの奇跡
HMVで購入可能
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=531085

昔,高校生だった頃,河原泰則氏のリサイタルに行ったことがある。
その時,強く印象に残ったのは
アンコールで弾いたシューマンの「トロイメライ」である。
曲もさることながら河原氏が演奏の前に
「トロイメライとは夢現のことだ」みたいな事を言ってて,
かっこいいいいこと言うなぁとやたら印象に残った。
しかし,今,嫌いな作曲家を上げよと言われると,
間違いなく,シューマンである。
交響曲第1番「春」,第3番「ライン」,ピアノ協奏曲,
チェロ協奏曲・・・
どれを聞いてもおもしろくない。
正直,嫌悪すら覚える。
さて,高校の時あんないい印象のあったトロイメライはというと・・・
今は正直,嫌いである。
時間がたつと人間ってかわるんだなぁ。

さて,このCDのヴォカリーズを聞いたとき,
なんてかっこいい演奏なんだと思った。
ゲーリーカーが「そーーーふうあーーーそーーー」
と出だしを弾くとすると,河原氏は
「ソファソー」とクールに弾くのがおもしろい。
しかし,結論をかくとこのCDはあんまり好きではない。
選曲のせいかもしれないが
なんか聞いてても飽きてしまうのだ。
特に嫌いなシューマンが2曲もあるからだろうか。
脱線だが
以前,テューバで「アダージョとアレグロ」を吹いてるのを
聞いたことあるが
小ホールだったせいかやかましいだけですさまじく悪い印象しかなかった。
サンサーンスの白鳥を転調してるのはなんか興ざめである。
白鳥というとカーがバーンスタインと共に
コントラバス独奏の歴史を幕開けたときの曲である。
その時はチェロと同じピッチでやったから偉業で
あったわけで今更転調されてもカーの感動より薄れてしまう。
その先入観のせいで楽しめないのだ。

このCD,好きな曲がないせいかイマイチである。
同じ河原泰則氏のCDなら「コントラバスは歌う」の方が
断然オススメである。このCDは素晴らしい。
同じ奏者でも好きなCDがあることを考えると
やっぱり選曲が悪いようだ。
最近こういう有名曲小品集ってだめだなぁ。
脱線だが,こないだ本屋のBGMが
最近流行のモーツァルト100だがなんだかだったが
「ピアノ協奏曲何番かの何楽章」→「交響曲39番第3楽章」
→「クラリネット協奏曲第1楽章」→「交響曲第25番第1楽章」
という感じだった。・・・何がおもしろいの?
ブツブツしててイライラしませんか?
というか,モーツァルトってクラシック初心者向きなの?
敷居が高く感じるのは自分だけか?
クラシック聴き始めの頃,モーツァルトってのは自分にとって
子守歌だったから最近,クラシックに興味を持ち始めた人が
「モーツァルト100」を買うことで逆に
「クラシックってつまんないね」ってことになりそうだが
まぁ,人それぞれなのだろう。それで楽しむ人に文句を言うつもりはない。

モーツァルト100とちがって
コントラバスの曲をよく知らない人は
白鳥やトロイメライ,コルニドライの入ったこのCDの方がいいのかも。
昔は自分もゲーリーカーのオムニバスが好きだったし。
コントラバスのオリジナル曲に興味が出たら「コントラバスは歌う」を
聞くといいのかも知れない。
ゲーリーカーを好きになれない人にもいいかも知れない。
私はカーが大好きであるが。
| コントラバスのCD | 19:12 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark | このページのトップへ
ヅビンデンとフリーバ ステファン・アデルマンのCD
フリーバが聴いてみたいといって知人から借りたCD。
HMVで購入可能。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=132700

コントラバスの貴重な無伴奏曲であるフリーバの組曲。
多分,っていうか絶対,バッハの無伴奏チェロ組曲を意識してるのだろう。
無伴奏チェロ組曲第1番のプレリュードの冒頭って
多分知らない人はいないだろう。
チェロでなんかひいてと言われればこれを
ひけばとりあえず拍手喝采である。
しかし,コントラバスにはそんな物はない。
このフリーバは,
そのコントラバスのコンプレックスを反映した曲だと言える。
ただ,大きな問題はこの曲は恐ろしく難しい曲(らしい)ということだ。
少なくとも素人の私の中では一生弾けないリストに入っている。
無伴奏チェロ組曲第1番プレリュードは,
アマチュアがはじめに躍起になってさらう曲であるが
フリーバの敷居は高い高い。
けど,こんな曲がすらすら弾けたらかっこいいんだろうなぁ。
フリーバはこのCDしか持ってないので
なんとも評価できない。

以下罵詈雑言
プロコフィエフの交響曲第1番「古典」を聴くと,
「古典を意識してるけどインチキ臭い」と思ってしまう。
まぁ,そのインチキ臭さがたまらないのだが・・・
このフリーバにも同じようなインチキ臭さを感じるのは
私だけだろうか。
特に,5曲目のガボットにそれを感じる。
まぁ,古典的様式といっても
昔につくったわけじゃないからしょうがないか。
おもしろいことに変わりないし。
罵詈雑言でした。

次に,ヅビンデン。
これも無伴奏曲。フリーバより好き。
フリーバと違うところは
チェロコンプレックスの産物と言うよりは低音を生かしているところ。
正直,以前紹介した,ギュンタークラウス盤の方が好きだが
この二曲を同時に楽しめるんだからいいCDである。
以前,ヅビンデンの譜面を見たことがあるが
理解不能だった。これも難しいんだろうなぁ。
この曲,音でバッハを表してるんだっけか?
いまだにどこがバッハ讃なのかよく分からないし,
まぁわかんなくても楽しく聞ければいいか。
同じ理由で,ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番の
第2楽章のどこにショスタコーヴィチの名前が隠れてるのか
よく分からないし探そうとも思わない。
そんな予備知識が聞く上で必要だとは思わないし。

あと,G線上のアリアが入っている。
ゲーリーカーとは調が違う。
まず,このバッハの曲を弾いたあと,次にヅビンデンのバッハ讃という
アルバムのコンセプトなんだと思う。
ボッテシーニのメロディ(エレジー第3番),
エレジー,タランテラが入っている。
とくにエレジーはどうしてこんな焦ってる演奏が多いのだ。
シュトライヒャー盤の男のロマンスを感じられない。
対照的にタランテラはテンポを押さえた無難な演奏。
逆だっぺなぁ。エレジーが遅く,タランテラが速くなのでは?
奏者は優しげな音色が好印象。
メロディではそれを生かせてていい感じになっている。
数あるメロディの中でもいい方だと思う。
(逆にそれがヅビンデンではよくないのか?)

全体的に,
ボッテシーニのエレジー,タランテラはオマケ程度に考え,
フリーバとヅビンデンを同時に楽しみたい人へオススメ。
| コントラバスのCD | 12:30 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark | このページのトップへ
ゲーリーカーより上手い奏者?
今回はメジャーなこのCD
http://www.camerata.co.jp/J/cd/cd_f.html
このカタログの中のギュトラーのCDである。
どこでも買える。
カメラータさん,こういう低音企画をするなんて素晴らしい。

まだ,コントラバスのCDをそんなに聴いたことがなかった頃,
このギュトラーのCDのジャケットを見て
「なんてくまのような大男なのだ」と思った。
しかし,聴いてみるとなんと見た目とは全く違って
綺麗な音色である。しかも上手い。
ヴォカリーズを聴いてるときふと思った。
「この人はゲーリーカーよりうまいのではないか」
当時,私の世界の中心はゲーリーカーだった。
彼より上手い人は存在しないと思っていた。
今,では
「ゲーリーカーより上手い人はこれからたくさん出るだろうが,
ゲーリーカーを超えるべーシストは永久に現れない」と思っているのだが,
この時はこの奏者はくまのようだがすごいと純粋に思った。
特にこのCDではクーセヴィツキーの悲しい歌にひかれた。
このCDでこの曲は初めて聴いたのだが,
途中からテンポの変わるところでの劇的な歌心と
圧倒的なカデンツァがすごかった。
グリーンスリーヴス変奏曲は貴重な無伴奏曲であるが,
あまり好きにはなれなかった。
主題が嫌いなのかも(笑)

今はこういうオムニバス小品のアルバムって嫌いである。
協奏曲集とかなんかのテーマのあるCDの方が好き。
まぁ,ギュトラーが素晴らしいことには変わりないが,
ゲーリーカーを超えるとは今では思わない。
| コントラバスのCD | 18:40 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | このページのトップへ
DUXのコントラバスCD ミハル・リシェツキ
DUXというレーベルから
おもしろいコントラバスのCDがでている。
あまり売っているところを見ないが試してみて欲しい。

カデンツァで購入可能
パソコンの画面の上のタグの「編集」から「検索」を選び,
「コントラバス」と検索すると出てくる。
http://www.webserve.ne.jp/cadenza/index2.html

ミハル・リシェツキという奏者のCD
曲目はクーセヴィツキーのコントラバス協奏曲
エクレスのソナタ,
ヒンデミットのソナタ
ボッテシーニの夢,夢遊病の女
パガニーニのモーゼ幻想曲と
メジャーな曲が目白押し。
特にクーセヴィツキー,エクレス,ヒンデミットが
同時に楽しめるCDも珍しい。

クーセヴィツキーはカーのような叙情さではなく
決然としたテンポで弾いている。かっこいい。
かといってスザンコフのように超高速でもない。
冒頭のホルンはもっている数ある録音の中でも最もいい。
オーケストラもあまり編成が多くない感じで
迫力はイマイチだが綺麗にまとまっている。(特に2楽章)
1楽章ラストの重音のところもカーとはちがった気迫がある。
なによりこの演奏の特徴は第1楽章が終わったあと,すぐに
第2楽章が始まることである。
結構,第1楽章のあと,間をおく録音も多いが,
単一楽章というクーセヴィツキーの意図を尊重していると言える。
2楽章はハープを意図的に音量を大きくしており
大変美しい。
3楽章は1楽章と異なる譜面になる部分の
シンコペーションの扱いが好印象。
そのシンコペーションのうきうきさが
次の2楽章の回想部分を効果的に引き立てている。
そして,フィナーレへ。メリハリのあるいい演奏じゃないか。
1楽章と似ていて退屈になりがちな3楽章は
このCDが一番好きかも。

エクレスは持ってる4種類もっている録音
(カー ゴイラフ モートン)
の中では一番好き。
特に1楽章が上手い。この録音を聴いて,この曲を弾きたくなった。
ヒンデミットも迫力は足りないが悪くはない。
3楽章のラストを別なトラックにしてるのは
おそらく解釈だろう。
また,他の録音では聴かない,グリッサンドや音の処理が
印象的。自分の表現をしたいんだろうなぁ。
(ヒンデミットの意志としてはどうかは知らないが)
コントラバスの録音の表現ってずっと同じになりがちだが
メリハリがきいている。

全体的に好印象な演奏なので,
クーセヴィツキー以外にもメジャーな曲を欲張りたい人に
オススメ。
コントラバスのCDで何を聴いていいか分からない人も
クーセヴィツキー,エクレス,ヒンデミット
から聴くのはいいのではないか。
| コントラバスのCD | 18:50 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | このページのトップへ
ゲーリーカーVS(?)シュトライヒャー エレジーとタランテラによる考察
さて,前回脱線しまくったのだが・・・
そう,シュトライヒャーのエレジーには
男のロマンがあるという所までかいた。
さらにピアノとの息がピッタリなのが素晴らしい。
ところでエレジーはいい曲なのに
すさまじいスピードの演奏とかある。
日本人好みでないだけかも知れないが
このいい曲はまったりと味わいたい。
このシュトライヒャーのエレジーを聴いて以来
他のエレジーは聴かなくなった。
ゲーリーカー盤をのぞいて・・・

ゲーリーカー盤はシュトライヒャーの男のロマンに対して
号泣である。まったくタイプが違う。
シュトライヒャーの歌い方の方が個人的には好きだが
このゲーリーカー盤もすごい迫力がある。
音質は悪いがゲーリーカーの公式サイトのBGMにこの曲が流れており
全曲試聴できるので聴いてみて欲しい。
こういうタイプも捨てがたい。

ところでこのゲーリーカーの演奏はで一つ疑問がある。
エレジーは楽譜を持っているのだが
私の持っている楽譜では記譜上の
開放弦のGの2オクターブ上のGのさらに上の
Eの音(実音 Fis)をフラジオで出すところがある。
シュトライヒャーはこの音をフラジオで出しているのだが
ゲーリーカーのはどう聞いても実音に聞こえる。
このEの音はもう指板がなくなってしまいフラジオでしか
出せないと思うのだが・・・カーのベースの指板は長いのかも知れない。

タランテラは完全にシュトライヒャーの勝ちだと思うが
エレジーに関しては好みが分かれるので引き分けといえる。
個人的にはシュトライヒャーの方が好き。
まぁ,個人的に好きなのが一番であって優劣をつけるのは
愚であるとも言える。
「ゴジラ対キングコング」はやはり引き分けなのだろう。
| コントラバスのCD | 16:53 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | このページのトップへ
ゲーリーカーVS(?)シュトライヒャー エレジーとタランテラによる考察
さぁ誰も待ってないだろうけど待ってました,
二大巨匠のボッテシーニ聞き比べである。
さしずめ,「ゴジラ対キングコング」だろうか。
(この映画見たことないけど。)

さて,聞き比べる曲はエレジーとタランテラ
エレジーとはおそらく最も人気のある
ボッテシーニの小品だろう。いい曲である。
エレジーなのに長調なのも興味深い。
チャイコフスキーの弦セレのエレジーも確か長調だっけか?
タランテラは超超絶技巧の曲らしい,まぁ,一生弾けないだろう。
グリエールのタランテラの方が個人的には好き。
余談だが「エレジーとタランテラ」という
二曲を強引に(?)くっつけた曲があるが
これは大嫌いである。エレジーのあとは静かに終わりたい。
グリエールの「インテルメッツォとタランテラ」のように
よい効果を上げていない。タランテラに魅力がないせいかもしれない。

さて,タランテラから。
まずはゲーリーカー,序奏のテンポが速いのが特徴。
ゲーリーカーってこういう
リズミックな曲が上手くない気がする。
テンポが速くて音色がいかせないせいか,
リズムのもたつきをどうしても感じてしまう。
それに引き替え,シュトライヒャーは上手い上手い。
はじめ聴いたときはそんなに上手いと思わなかったが
ゴイラフさんの下手くそなタランテラを聴いたあとに
シュトライヒャー盤を聴いて息をのんだ。
なんたるうまさだ!!
うまいとは下手な人がいてこそ成り立つ定義なのかも知れない。
カーが不器用にスキップしてるとすれば,
シュトライヒャーは起用に側転している感じである。

次にエレジー,この曲はシュトライヒャー盤を聴く前から
とても好きだったのだが,
初めてシュトライヒャー盤を聴いたとき
はじめの2小節を聴いてびっくりした。
ピアノの序奏にとにかく哀愁が漂っているのである。
シュトライヒャーの音色は細い感じだが
とにかく男のロマンを感じる演奏である。
例えるなら,女に振られたあとキザに去るといった感じか。
映画「ローマの休日」のラストシーンで
男が振り返りもせず宮殿みたいなとこ去っていくのに似ているかも。

また,脱線だが
「ローマの休日」「スタンドバイミー」「サウンドオブミュージック」は何十回見ても名作だと思う。
本当にいい映画は色あせない。
オードリーヘップバーンと車の中でおでこにキスするシーンを見たとき,
「これはかっこいい!」と思って,
おでこにキスするのを「ローマの休日キス」と名付けて,
実際に自分でやってみるが全くかっこよく決まらない。
これは男の格の差だろう。
スタンドバイミーは男のロマンだね。あの男の友情ってのは
抗議を承知で言えば女には多分一生分からない世界なのだろう。
このビデオを女性と見たことがあるのだが
その女性はこの映画の面白さをさっぱり理解できなかった。
もう,脱線ついでに脱線しまくるが
「サウンドオブミュージック」・・・これはうちにビデオもあるし
30回は見たのではないだろうか。
もうマリア先生,歌が上手すぎ。
噴水のところでドレミの歌のクライマックスを決める所なんか
何十回見ても大きな感動がある。
「どんなときでも列をくんで」なんて日本語の歌詞は
破棄した方がよいだろう。
そして,トラップ大佐の後妻候補の男爵夫人のあまりにかわいそうさ。
トラップ大佐の心移りで捨てられるのだ。
「新婚旅行は世界一周がいいかしら?」と述べる婦人に対して
大佐が「もうやめよう」とか言う,婦人は
「私には別な男がすぐにできるは」みたいなシーン。最高である。
大佐の気持ちもよく分かるし,婦人の気持ちもよく分かる。
男爵夫人といえば一回,女のいじわるで
マリアさんを追い出すのだが,トランクケースを持って
逃げるマリアさんをバックにファンファーレが鳴り
インターミッションになる。
最近の映画はよく長すぎると思うんだが
こんな効果的なインターミッションの使い方があるだろうか?
この男爵夫人は第二次世界大戦で無事生き延びたのだろうかなどと
考えると胸が熱くなる。
クライマックスが大佐と昔親しかったナチスの青年将校が
亡命を試みる大佐一家を見つけたときのやりとりも最高である。
銃を前に平然と歩く大佐のあのかっこうよさ,
大佐は青年に「一緒に行こう」と言うが
青年は大佐を撃つことも一緒に行くこともできずに
「大尉殿!」となかまを呼ぶのである。
青年はナチスを信じたかったし,けれども職務にも忠実になれなかった。
非常に感慨深い。
この青年も戦争を生き延びたのだろうか?
生き延びたとしても第3帝国の崩壊に青年は何を感じたのだろうか?

すんげぇ,脱線しました。全く予定外。
まぁ,とにかく「サウンドオブミュージック」は見て欲しい。
ってまぁ見たこと人が多いのだが中学校の音楽で途中まで見たとか
抜粋を見たととか言う人が多い。
テレビで年一回流行るのでもしちゃんと見てない人がいたら
見て欲しい。
予定になかったが次回こそ,シュトライヒャーとカーについてかく。
| コントラバスのCD | 18:56 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark | このページのトップへ
シュトライヒャー ボッテシーニを弾く
このブログ,50回目の更新である。
最初はコントラバスのCDの話題ばかりでなく
コントラバスノCD中心に三国志のマニアックな話とか
他に聴いたクラシックのCDとかのはなしも取り上げようと思っていたが,
コントラバスのCDだけで50回になってしまったので
ネタが尽きるまでこのコンセプトで行こうと思う。
まぁ,あと2ヶ月もすればネタは尽きると思うが。

さて,今回はゲーリーカーに対して
シュトライヒャーのボッテシーニのCD
HMVで購入可能。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=323459

数年前のある日の知人との会話
知人「シュトライヒャーが死んだんだってねぇ」
私「生きていたんですね・・・」
恥ずかしい話,とっくに死んでいた物だとばかり思っていた。
シュトライヒャーも晩年は脳にまで病気が回ってしまったらしい。
世は無常である。偉人も死ぬときは同じということか。

まぁ,そのことはともかく,
このジャケット,よく見ると指板がたしてあるのがわかる。
シュトライヒャーの楽器だろうか?
かってに想像するが,このCD,
ボッテシーニの聖典みたいな位置づけにあるような気がするが
その聖典が1300円とは安い。
自分はもっと安く買った気がする。
つまんないCDが2500円ぐらいしたりするのを考えると
コストパフォーマンスというものを考えさせられる。
さて,このCD,なぜかシュトライヒャーが弾いてないトラックがある。
シュトールがチェロとの序奏付「パッショーネアモローゼ」を弾いている。
(ギュトラー,シュトールが弾いてた物と同じ構成の
 パッショーネアモローゼ。)
これが正直,つまらない。
パッショーネアモローゼはやはりチェロとやってはつまらないのだろう。

さて,肝心のシュトライヒャー。
いきなりであるが一つ不満がある。
なぜかアラメンデルスゾーンの所々がカットされている。
うーん,これでは「メンデルスゾーン風とは言えないなぁ」
けど上手い。レコード時代に入りきらず泣く泣くカットしたのだろうか?
シュトライヒャーはさらりと上手い。
どういうことかというと
「俺は超絶技巧をやってるぜ」という感じが全くないのだ。
あんまり素人がシュトライヒャーについて語ると
あまりにも罵詈雑言の極みになりそうなので
あまり語らないがどの曲も安心して聞ける決定盤といえる。
協奏曲第2番なんか派手ではないがやはり「うむ!」といった感じがある。
こういうパフォーマンスができる人ってのは
本当に上手い人なのだろう。
1300円です。皆様,このCDは持っているべきでしょう。
Teldec さん,お願いだから,他の協奏曲のCDも復刻して。
以下のアドレスの一番上のCD
http://www.ludwig-streicher.at/site/records_2.htm
なんて,豪華な曲目なんだ!!!!!!!!!
譲ってくれる人いません?いないわなぁこのいいCDでは。
昔,ヤフオクに出てたのを落とさなかったのが悔やまれる。
シュトライヒャーが死んだとき
2枚組ぐらいで追悼盤CDが出るに違いないと思ってたが,
それほどコントラバス界はまだメジャーではないようだ。

さて,次回は
シュトライヒャーとゲーリーカーの両方のボッテシーニのCDで
ついにかぶってしまったエレジー(第1番)とタランテラについて
比較(?)できたらしてみたい。
50回目にシュトライヒャーとはちょうどいい機会に取り上げた。
| コントラバスのCD | 20:50 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | このページのトップへ
ゲーリーカー ボッテシーニを弾く
ゲーリーカーとシュトライヒャーというと
2大コントラバス人気スターといえるが
音楽のジャンルが違うのが興味深い。
一時期,ゲーリーカーとシュトライヒャーは
同じ録音を出してしまうと,
どちらが上手いかハッキリと分かってしまうから
録音の曲がダブらないようにお互い意識してるのではないかと,
勝手に思っていたことがある
その理由にカーはヴァンハルやディッタースドルフ,ヴァンハルといった
録音が多い協奏曲の録音をしていない。
それに対し,カーの録音がある
クーセヴィツキーやドラゴネッティにはシュトライヒャーの録音がない。
まぁ,偶然だろうけど。

で,それはどうでもいいのだがカーって
日本の歌とかそういうのはいっぱいあっても
王道のボッテシーニの録音がないのでは?
とおもったらそんなことはなかった。

カーの自主製作か?ホームページや以下の海外通販から購入可能
http://shop1.mailordercentral.com/lemurmusic/prodinfo.asp?number=R457

このCDでばっちり,シュトライヒャーのボッテシーニのCDと
二曲かぶった。エレジーとタランテラである。
これの聞き比べについては後に述べるとする。

さて,ボッテシーニの曲が苦手という人は,このCDを聴いて欲しい。
ボッテシーニの曲が完璧に「ゲーリーカー味」になっている。
それがよいかどうかはともかく,
「夢遊病の女の主題による幻想曲」なんかは,
録音が多いがどうも好きでなかったのだがカー味にしたら
おもしろいと思えた。
「夢」なんかもカーにピッタリの曲である。他の録音とは
全く趣が違う。

「パッショーネアモローゼ」はハーモンルイスによるピアノ伴奏による
2代のコントラバス版である。
この曲が私はすごい好きだと言うことがよく分かった。
たしかにこの録音の音程は怪しい部分もあるし,
ヴァイオリンとコントラバス版の方が小気味いいけど,
このゲーリーカーの濃厚な味,ゲーリーカーの音って
非常に中毒性があると思う。
言うまでもなく,ゲーリーカーのすごさはコントラバスの
パイオニアであることやそのエンターティメント性,
なのだが音だけを言えば
ゲーリーカーのすごさはテクニックではなくきっと,音色なのだろう。
コントラバス2台版のパッショーネアモローゼ,
きっと以前紹介した,シュトール,ギュトラー盤の方が
テクニックは上かもしれないが中毒性は圧倒的にこっちの方がある。
カーのホームページで3楽章冒頭が試聴できるがこれを聴いて
たまんねぇと思わない人にはお勧めできない。
けど,わたしはこういうのがたまんなく好きだ。

そして,このCDの最大の収穫は「グランドデュエット第1番」である。
この曲,コントラバス2台だけの曲である。ピアノ伴奏はない。
(ハーモンルイスが
 もう一人のコントラバス奏者に嫉妬しそうな曲である。)
この曲,バディラという人の演奏を聴いたときはまったく
おもしろくもおかしくもなく全く聴かなかった。
また,永島義男氏がチェロとコントラバス版に編曲したのを
生で聴いたが全体的によい演奏会にもかかわらず
この曲は正直眠くなった。
よってこの曲は駄作だと思ってたが,この録音を聴いたら
この曲の魅力に目覚めた!今ではかなり好きである。
もちろんこの盤以外聴かないが。
この録音,特に第1楽章のテンションが異常である。
すごい,低音のメチャクチャさ,音程の怪しさ,
曲のイマイチさ,全部たまんないものがある。すごい。
もう完全にゲーリーカー中毒なのだろう。
1楽章だけで約15分もあるが全く飽きない。

このCD,超おすすめであるが万人にうけるとは思えない。
私は海外から買ったかいが十分あると思う。
ゲーリーカー中毒の方,おすすめです。

次回はこれに対してシュトライヒャーのボッテシーニ集を取り上げる。
| コントラバスのCD | 19:41 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | このページのトップへ
ロシア人は早く弾く? スザンコフのクーセヴィツキー 後編
さて,後編になってようやくこのCDに収められている曲目。

(1) C.W.Gluck-F.Kreisler Melodie
(2) J.Massenet-M.Marsick Meditation
(3) N.Paganini-T.Toshev Fantasy for G String
(4) G.Faure Apres un reve
(5) E.Granados-G.Cassado Tntermezzo
(6) F.Chopin-A.Glazunov Etude in C sharp minor
(7) F.Chopin Nocturne in C sharp minor
(8) F.Mendelssohne-Bartholdy Lied ohne worte Op.62 no.1
(9) D.van Goens-T.Toshev Scherzo
(10) G.Rossini-R.Azarkhin Cavatina
(11) S.Rakhmaninov Prelude in D Major
(12) V.Monti Csardas
(13) L.Dubrovay Solo No.10 for double bass
(14) S.Koussevitzky Concerto for double bass and Orchestra

ちなみにhttp://www.geocities.com/Tokyo/1471/bass_cd_j.html?200521
からの転載です。このページにはお世話になっています。

(1)のメロディは確かゲーリーカーのなんかのCDでは
「精霊の踊り」というタイトルになっていた。
ショパンの曲なんかがコントラバスノCDに入ってるのも珍しい。
(ピアノ弾けないせいかショパン嫌いだけど。)
ラフマニノフも入ってるし,スザンコフはピアノが好きなのかも知れない。
(13)の曲はなんだかジャングルみたいな曲。
コントラバスを動物の鳴き声みたいな使い方をしている。

実はこのCD,最大の目玉はクーセヴィツキーではなく
モンティのチャルダッシュかも知れない。
とにかくすごい。
あのチャルダッシュをコントラバスで弾いてしまっている。
速い速い!最後なんかフラジオで超早弾きをしている。
とんでもない化け物(失礼)である。
コントラバスでこういう曲を弾くことがよいかどうか議論はあるが
このすさまじいテクニックは例え曲芸といわれようが
すごいものには変わりないだろう。

さて,この奏者,別なCDでアルペジョーネソナタなんか弾いてる。
こちらのCDは持っていないのだが
なんとなく演奏内容が想像できるのでパスしている。
アルペジョーネは歌心が欲しい。多分,
この人は快速で弾いているのだろう。(違ったらごめんなさい。)

まぁ,いろいろあるがこのCD,基本的にはオススメである。
特に「チャルダッシュ」は一回聴いてみて欲しい。
意外とクーセヴィツキーの協奏曲もゲーリーカーがまったり弾いたことで
イメージができてしまったが,じつはクーセヴィツキーは
ロシア人なのだからこのように速く弾く方が「本当」なのかも知れない。
(ちなみにクーセヴィツキーの自作自演の協奏曲の録音が第2楽章だけ
 あるのだが注文しているのにいっこうに入荷の見込みがないようだ。
 入手困難のようである。)
| コントラバスのCD | 20:01 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | このページのトップへ
ロシア人は早く弾く? スザンコフのクーセヴィツキー 中編
本当にスザンコフのクーセヴィツキーは速いのか?
持っている全てのクーセヴィツキーのコントラバス協奏曲のCDから
収録時間を競ってみた。
       
奏者名     第1楽章 第2楽章 第3楽章 トータル
ゲーリーカー 。喫55 6分06 5分30 17分31
ゲーリーカー◆。曲19 6分26 5分06 17分51
ゲルドラインケ  5分30 6分36 4分47 15分53
Lisiecki      5分34 5分57 4分42 16分13
Radoukanov   5分36 6分14 5分01 16分51
シャシャ     6分56 7分50 5分58 20分44
モートン P    5分24 5分36 4分43 15分43
ロロフセン P   5分25 5分33 4分43 15分41
ゴイラフ P    5分52 5分40 5分00 16分32
スザンコフ     5分05 4分43 4分27 14分15
※ゲーリーカー,魯戰襯螢麒送交響楽団バージョン
 ゲーリーカー△魯スロフィルバージョン
 Pはピアノヴァージョン。

やはりスザンコフ,圧倒的に速い!
第1楽章では4分台に迫る早さである。
第2楽章は唯一の4分台をマーク。
1楽章より2楽章の方が速い演奏もゴイラフ盤とスザンコフ盤しかない。
第3楽章でも一位をマーク。
トータルでも14分台を唯一マークして2位に2分半近い差をつけての
ぶっちぎり一位である。
やはり速い。

ちょっと脱線するが,
このあほくさい表をつくって思ったこと。
シャシャ盤はめちゃくちゃ遅い。驚異の20分台をマーク。
正直,ゲーリーカー盤が一番遅いだろうと思ってたが,
カー盤とも3分近い差がある。
だるいと思った原因はここにありそうである。
また,ゲーリーカーはオスロフィル盤より
ベルリン放送交響楽団盤の方が速い傾向にあるが,
3楽章のみオスロフィル盤の方が圧倒的に速い。
3楽章の好みが変わったのではないかと考えられる。

ちなみにこの曲はほとんどソリストが弾いているので
指揮者による好みの差ではなさそうである。
偏見であるがやはりロシア人は速く弾くのだろう。
(最も他の奏者の国籍がよくわからないので
 国籍との因果関係は証明できていない。)

ふぅ,あほくさい表をつくったもんだ。
日本初かも知れない 笑
次回はこのCDのクーセヴィツキー以外の曲についてかきます。
お楽しみに。(誰も楽しみにしてないか・・・)
| コントラバスのCD | 21:02 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | このページのトップへ